「おにーちゃん、私も連れて行って!」そういつものように声が響いて、とててててっと僕の横に走り寄ってくる。「私を置いていくなんてひどいよ、ちゃんと連れて行ってよ」「すまんすまん、楽しそうに何かやってたから、邪魔しちゃ悪いかなって思って」「お兄ちゃんと一緒に居る以上に楽しいことなんて無いんだから、いいんだよ。」にっこり笑って僕の方を見る、その妹は健気で僕は妹を愛していた。 中学時代から僕は妹とやたら仲が良く、いつもどこに行くにしても妹が傍らに居た。「お前ら本当にいつも一緒だよな」「羨ましいか」「いや、お前も物好きだよなって」そう友人は笑って、「それじゃ、俺はお邪魔みたいだから」と言いながらチキチキチキっと自転車のチェンジを変えて走り去って行った。「おにいちゃん、二人きりだねっ」友人が見えなくなると妹は嬉しそうに、手に抱きついてきた。 高校時代に入ると、僕はそれこそ寝る間を惜しんで妹と時間を共に
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