もし僕が「この小説どうだった?」と聞かれたら「読めたもんじゃないよ、メッタメタの作品だった。ミステリーっていうか、SFかもしれない。」って答えると思う。読めたものじゃない。いや、読むものじゃない。感じるもの。いや、もうすでにこの作品は小説っていう形を取った、ジェットコースターのような乗り物であるかもしれないし、ぶびぃーって音が鳴って緞帳が上がるような、そんな劇なのかもしれない。 この作品は、作中の主人公=九十九十九に、九十九十九のことを描いた作品が届けられる。九十九十九は「こんなこと起きてねーよ、でも本当のことも混じってるよ!」と言いつつ行動を取る。第二話では第一話を受け取り、第三話では第一話と第二話を受け取り。 全7話あるんだけれど、時々その物語の順番を入れつつ進んでゆく。そして、届けられた小説は、その世界へと影響を与えてゆく。リンクしてゆく。 全ての物語は、少しずつ重ねた紙のように積み