現代に作曲されている音楽を聴こうとしているけれど、若い作曲家が作る音楽を聴いていても結構ピンとこないことがある。「現代の音楽」のはずなのに、上手くそれが「現代音楽」のように感じない。 「現代音楽」という言葉を聴くたびに、私の頭のなかで想像される音楽はブーレーズのピアノ・ソナタである(冒頭に貼付したのは彼の第一ピアノ・ソナタ)。彼のピアノ・ソナタは3曲あり、全て40〜50年代に書かれている。性格に言えば、この作品は「かつて現代音楽だったもの」ということになる。全面的な音列技法や(第3番)「管理された偶然性」といった、これらの作品で用いられた語法も「作曲科の学生が課題で書く以外に使われていないのではないか」と疑いたくなるぐらいに古びてしまった。 今アカデミックな楽壇でどのような音楽が流行っているのかよくわからないけれど(エレクトロニクス?身体性?)、もはや音列の時代ではなくなったことはなんとな