「あんたは、優しい子だから」 と、母が言った。 私が男の言われるがままに、男を自分に繋ぎ止める為にサラ金で借金を重ね、家賃も払えず、働いても働いても金利が膨らみ、仕事場には金融会社からの電話がかかってくるようになり、遂には両親に全てがバレた時に、「理由」を聞かれて、「男の人に」とだけ私が答えた時に、悲しそうに母はそれだけ言った。 まだ責められたり罵倒されたりする方が気が楽だった。いっそ縁を切り、見捨てて欲しかった。 私は優しくなんかはない。弱いだけだ。弱いから依存した、弱いから男を引きとめようとした、弱いからそこから逃れることが出来なかった。意志が弱い、心が弱い、生きていくことが難しいぐらい弱い。だから唯一自分を認めてくれて理解してくれていると、当時は思っていた初めての男を繋ぎ止めるため、彼が大切にする婚約者の元に返したくないために言われるがままに金を渡していたのだ。 今となればその男が私