交遊範囲が広いね、と言われることがある。 あんまり考えたことはなかったけど、客観的に見たらそうかもしれない。大学時代の友人と遊んだり、市内で小説を書いている人と遊んだり、朗読のイベントに出かけたり。前の職場の人たちとも結構ひんぱんに会っている。じつのところ私の余暇は、そういう時間にほとんど使われている。私に成すべきことなんてそうないのだ。誘われたら遊びに行ってしまう。 そういう今からしたら想像もできないことかもしれないが、私はあまりひとと遊ばない子供だった。そもそも他の子どもとあまり会わない生活をしていた。 私の家は、3親等以内全員公務員か教師をしていた。”公”の稼業のおそろしいところは、うちの評判=学校や自治体への評判になることだ。つまり、他所様にはどんな暮らしをしているのかあまり知られたくないというものである。おそらくそういうわけで、ほかの子どもたちとうかつな交流をしてほしくなかったの