正義のアイデア 作者:アマルティア セン明石書店Amazon ずっと前に途中まで読書ノートをつくっていたけど、同じような議論が延々とつづくので疲れてストップしてた。最終章である第18章は全体のまとめになってるので、ズルしてここだけ要約して、読書ノートを完成させたふりをしよう。 第18章正義と世界 かつてリカードは、旱魃で食料不足が発生したとき、「政府は何をやっているんだ!」と訴える社会運動家たちに対して軽蔑の気持ちを表した。食料が足りないのはどうしようもないことだ。それなのにそれをどうにかできるかのように貧しい人々の感情を刺激するのは残念なことだ、というわけだ。 だけど、私はこうしたリカードの非難には反対する。 まず、感情は大事だ。不正義の感覚は間違うこともあるけれど、ともかく検討することが必要だ。不正義の問題を精査するために、まずは感情を出発点とするのだ。怒りが議論に取って代わってしまっ