おれやあなたやおまえらの不運っぷりときたら、それはもう折り紙付きにもほどがあって、例えば目の前で電車のドアが閉まる。コーヒーが出きったあとに紙コップが落ちてくる。終電を逃す。ジャンプが売り切れ。アソシエイトが半期で20円。わりばしがうまく割れないばかりか、わりばしのささくれがくちびるに。 こんなの不憫で不憫でしかたがないので、この不運を振り払う方法を考えてみたのですけど、まずパンにバターを塗って1mの高さから落とす。不運なおれらはバターが必ず下になる。 二階からパンを落とす。やっぱりバターが下になる。 東京タワーから落とす。どうしてもバターが下になる。 富士山から落とす。ことごとくバターが下になる。 でもじゃあ50光年の彼方からパンを落としたらどうだろう。光の速さでパンが落ちたとしてもバターが下かそれとも上か、それがわかるのは50年後だ。その間、おれらは幸運ではないかもしれないが不運とも言