政府の教育再生会議が、入試改革の提言をまとめて、安倍首相に提出した。従来の学力試験中心ではなく、面接などを活用し人物本位の選抜をするよう大学に働きかけるというものである。 しかし、大学入試の実情を知っている人間からすれば、これはあまりにばかげている。合格者がほとんど入学する超一流校なら、それも有効かもしれないが、他のほとんどの大学では、上位の合格者は滑り止めで受験しているために、皆逃げてしまう。そんな状態のなかで、人物本位で選抜しても、無駄な手間と時間を使うだけである。 再生会議は、人物本位の選抜をするために財政的な援助が必要としているが、これでは国民の税金がまた無意味なことに使われることになってしまう。 大学入試を本当に改革するのなら、むしろそれを廃止するくらいの大胆さが必要である。競争率が異様に高かった時代には、入試でふるい落とすことも必要かもしれないが、今は受験生の数も相当に減ってい