立山・剱岳の3つの万年雪が国内初の現存する「氷河」と学術的に認められました。 日本の山岳には数百もの万年雪が存在するが、氷河は存在しないと長らく考えられてきました。当博物館の研究グループは、電波で氷厚を測るアイスレーダーや誤差数センチの測量用GPS(衛星利用測位システム)など新しい機器を使って、立山連峰の万年雪で氷河の可能性を探る現地観測を2009(平成21)年からはじめました。 その結果、剱岳の三ノ窓雪渓、小窓雪渓、立山の御前沢(ごぜんざわ)雪渓は流動する氷体をもつ日本初の現存する「氷河」であると判明しました(福井・飯田, 2012)。現在、他にも現存氷河が存在するのか、氷河はどのように形成維持されているのか明らかにするための調査研究が行われています。 日本雪氷学会誌に掲載された原著論文(福井・飯田, 2012) 氷河の写真(PDF)。1枚目が御前沢氷河,2枚目左が三ノ窓氷河,右が小窓氷