「値上げの秋」の原因は、ウクライナ情勢だけじゃない 食品メーカーの値上げラッシュが止まらない。中でも深刻なのが、輸入小麦の大幅な値上げによる、小麦製品の値上げだ。 農林水産省は、2022年4月期からの輸入小麦の政府売渡価格を、主要銘柄で17.3%の引上げを行なうと公表。その理由として、 ①2021年夏の高温・乾燥による米国、カナダ産小麦の不作の影響 ②米国、カナダ、豪州の日本向け産地における品質低下 ③ロシアの輸出規制、ウクライナ情勢等の供給懸念 をあげている。 ニュースのイメージだと、ロシア、ウクライナからの小麦輸出減のイメージが強いが、実は日本が最も小麦を輸入している国はアメリカで、輸入量の約49%を占めている。2番目はカナダで約34%、3番目がオーストラリアで約17%。この3つのエリアで同時に小麦の不作が起こり、特に、高品質の小麦の需要が多い日本で、価格が高騰しているというわけだ。