暗号資産の「神」が地獄に落ちた…… 2019年創業から瞬く間に、資産数百億ドル規模の企業となった世界有数の米国暗号資産交換業者があっという間に逝ってしまった。 破綻したのは大谷翔平選手らトップアスリートをアンバサダーとして用い、F1のメルセデスとチームスポンサー契約を結び、日本でも暗号資産交換業登録済の子会社を有していたFTX Trading Limited(以下、FTX)である。 その規模もリーマンショックをしのぐメガトン級の破綻劇である。 FTX創業者のサム・バンクマン・フリードという人物は、今年の5-6月の信用収縮によって、八方ふさがりとなったレンディングサービス大手のブロックファイや、暗号資産ブローカーのボイジャーデジタルを買収や融資などで救済したことから、暗号資産業界では「神様」のような存在であった。 弱冠30歳で数百億ドルの会社を築いた業界の「神様」は、顧客資産を自身の関連企業