この記事の3つのポイント 民進党の頼清徳氏が台湾の新たな総統となる 中国との関係悪化が強調されるが、実は安定しそうだ ただし、安定を揺るがす波乱要因が3つある 台湾で1月13日、総統選挙が行われ、与党・民主進歩党(民進党)の頼清徳氏が勝利した。5月20日に、現職の蔡英文(ツァイ・インウェン)氏からバトンを引き継ぐ。民進党の総統が3期連続することになる。この流れは、懸念されている台湾有事にどのような影響を及ぼすだろうか。 「掛け値なしの台独(台湾独立)仕事人」 「頑固な台湾独立工作者」 中国は選挙期間中、頼清徳氏をこう呼び、敵視した。同氏は行政院長(日本の首相に相当)を務めていた2018年4月、自身を台湾独立派と位置づけ、台湾は主権を持つ独立国家であるとの考えを立法院(国会)で示して物議を醸したことがある。このため、同氏が総統に就任すれば中台関係が悪化すると見る報道が少なくない。だが、実はけ