第46回 世界は少子化にどう向き合っているのか 経営コンサルタント 大前 研一氏 2006年9月20日 積極的に移民を受け入れるシンガポール 以前の当コラムでも何度となく述べているが、少子高齢化は大きな問題だ。少子高齢化は労働力不足を招き、世界の先進諸国を悩ませている。今回は、世界ではどのようにこの問題に向き合っているかを見てみる。 労働力不足に対して以前から取り掛かっていたのはシンガポールだ。シンガポールでは、早い段階から足りない労働力を外国人に求めてきた。初代首相のリー・クアンユーの時代から、「中国が本格的に目覚めてしまったら、たいへんなことになる」と危機感をもって様々な対策を打ってきていた。 最近のシンガポールは、スイスの代わりになるものをアジアにつくろうとして、金融機関に対する規制を大幅に緩めた。その結果、世界中の金融機関やファンドが同国に集まってきている。「それくらい