2006年度におけるNTTの業績は、順調に推移していた。 「光ファイバーやソリューション・サービスが伸び、わずかではあるが、『通期で増収増益』という想定通りに進捗している」――。NTT持ち株会社社長の和田紀夫は2006年11月10日の中間決算発表で、3期ぶりとなる増収増益の見込みを報告し、余裕の表情浮かべた。 さらに説明資料には、業績以外にも好調な数字が並んだ。光ファイバーの加入者数は驚異的な伸びを見せ始めており、年間目標の達成に向けて順調に増加。2010年までに光ファイバー3000万回線を提供するという目標達成も、以前に比べると現実味を帯びつつあった。 だが好調な数字をたたき出した一方で、「2006年」はNTTにとって、苦い思い出を残す一年にもなりそうだ。2006年の初頭、まさに晴天の霹靂(へきれき)のように、組織見直しの是非を巡る議論がNTTを襲ったからである。 その議論は結果的に、N