中国が、日本を含む30カ国に「非公式警察署」の拠点を設置していたとされる問題が、深刻さを増した。調査を進めているスペインのNGO(非政府組織)が今月、最新の報告書を公表し、拠点を置く国の数が53カ国に広がったのだ。日本では、東京だけでなく、名古屋の名前も上がった。これ以外の都市に存在してもおかしくない。欧米各国は、主権侵害の疑いで捜査・調査に乗り出しているが、日本では具体的な動きが見えない。まさか、中国に配慮しているのか。
(福島 香織:ジャーナリスト) 12月6日、中国の元最高指導者の江沢民の追悼大会が人民大会堂で行われた。習近平が神妙な顔で、50分にわたる弔辞を読み上げた。 意外であったのは、江沢民に送られた様々な形容詞が鄧小平に勝るとも劣らない素晴らしいもので、ひょっとして習近平は内心本当に江沢民のことが大好きだったのかもしれない、と思うほどだったことだ。 この追悼大会の日は一日すべての娯楽が禁止されるなど、鄧小平の追悼大会のときにはなかった通達もなされた。 だが江沢民の最高指導者としての功績は明らかに鄧小平よりは低い。そもそも江沢民執政の前半は事実上の鄧小平院政であった。また、習近平は江沢民派を政敵とみなして激しい権力闘争を展開していたはずだ。そんな江沢民に対して習近平がここまで賞賛をこめた弔辞を読み上げたのはなぜなのか。 江沢民の功績としては、第16回党大会で自ら望んで後進に地位を譲ったというくだり
(市岡 繁男:相場研究家) 8年前に発した警鐘通りの事態に ロシアとウクライナの戦いが長期化しています。 そこでウクライナ問題について詳しいジョン・ミアシャイマー・シカゴ大学教授が2014年9月にフォーリン・アフェアーズ誌に寄稿した論文(「Why the Ukraine Crisis Is the West's Fault」)を読み返してみました。同教授が8年前に警鐘を鳴らした通りの事態が2022年2月に起きたのです。そのポイントを紹介しましょう。 ウクライナ危機の直接的な原因は、欧米がNATOの東方への拡大策をとり、ウクライナを欧米世界に取り込もうとしたことにある。欧米は、ロシアと国境を接するウクライナを欧米圏に組み込もうと試み、大きな失敗を犯した。今後も間違った政策を続ければ、さらに深刻な結末に直面することになる。 米国は1990年代半ば以降、NATOの東方拡大策をとり始めた。2008
土田 陽介 [三菱UFJリサーチ&コンサルティング 調査部 副主任研究員] Dec. 08, 2022, 06:35 AM 国際 第10回全国裁判官会議に出席するロシアのプーチン大統領(2022年11月29日、ロシア・モスクワにて撮影)。 Sputnik/Mikhail Metzel/Pool via REUTERS ロシアがウクライナに侵攻したのは、およそ10カ月前、2月24日のことだった。この状況を受けて、欧州連合(EU)の執行部局である欧州委員会は、3月8日にロシア産の化石燃料からの段階的な脱却を目指す戦略「リパワーEU」を発表した。 そして、EUは石炭、石油、天然ガスといった化石燃料について「脱ロシア化」を目指すことになった。
「『魚が獲れない日本』と豊漁ノルウェーの決定的差」で、漁業先進国ノルウェーの好調な水産業を紹介したところ、Twitterなどで多数の反応がありました。中には「ノルウェーの隣国には中国・韓国がない」「日本の周りには乱獲する外国があるので、ノルウェーとは違う」といった、誤解に基づくコメントがいくつも見られました。「隣の芝生は青く見える」といいますが、ノルウェーが「隣国に恵まれている」というわけでは決してありません。 日本の水産資源が減った原因として挙がるのは、外国による乱獲、海水温の上昇などの理由がほとんどです。また魚種交代や、レジームシフトといった、もっともらしく聞こえる解説も散見されます。そこで、その本質的な原因をファクトベースでひも解いていくと、さまざまな矛盾が露呈してきます。必ずしも外国が悪いわけではないのです。 ノルウェーは本当に「隣国に恵まれている」? 「ノルウェーとは違って、日本
(篠原 拓也:ニッセイ基礎研究所主席研究員) 地球温暖化には「臨界点」がある 気候変動問題を巡る動きが世界中で活発になっている。台風や豪雨などの極端な気象現象による災害の激甚化・頻発化をはじめ、南極やグリーンランドの氷床の融解による海面水位の上昇、干ばつの発生など、地球温暖化によるさまざまな影響が出始めている。 先ごろエジプトのシャルムエルシェイクで開催されたCOP27(国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議)では、世界平均気温を産業革命前(1850~1900年平均)に比べて、1.5℃に抑えるという目標に向けて、温暖化ガスの削減目標の強化と実施を進めることが確認された。 この1.5℃目標。わずか1.5℃という気もするが、そもそもなぜ世界中で1.5℃の上昇に抑えることにこだわるのか? 1.5℃を超えたら一体どうなるのか? 素朴な疑問を持つ人もいるだろう。今回はそんな疑問について考えてみたい
FCV(燃料電池自動車)であるトヨタMIRAIが第2世代となり、都心部では燃料電池バスが路線バスとして活躍しているが、世間のイメージでは「水素社会はまだまだ先のこと」というイメージだろう。 しかし実際には日本国内でも着々と水素エネルギーの利用が進んでいる。FCバスは水素利用を意識することなく乗車できるし、周囲に走っているクルマがEVでもFCVでも、無関心なドライバーが大多数、ということなのだ。 意外と知られていないが、全国各地で水素は利用されている。FCVではなく、工場の副生水素を発電機やFCフォークリフトの燃料として利用しているところが広がっているのだ。 それでもエネルギー全体で見れば、石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料と比べれば微々たる量でしかない、というのもまた事実だ。普及への道筋をどうつくり導いていくか。ということも課題ではあるのだが、「この意外と知られていない」ことも問題なのだ。
世界地図をのぞくと日本はロシア・中国・北朝鮮に囲まれており、現在の世界情勢を照らし合わせると、地政学上大きく危険をはらんでいる国の一つといえます。2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻による戦場の痛ましい現状の報道を目にして、罪のない人々が苦しむ姿に心痛めるとともに、自国の安全への不安を募らせれている人も多いのではないでしょうか。本連載では「2027年、日本がウクライナになる(他国に侵攻される)」と予測する、元自衛官で「戦場を知る政治家」である佐藤まさひさ氏の著書から一部一抜粋して、日本防衛の落とし穴についての知識を分かりやすく解説します。 ウクライナ危機でNATO加盟国の足並みがそろうも… 国際関係は一筋縄ではいきません。それぞれの国がさまざまな国と、経EU済支援、技術協力、歴史などで連携しているからです。各国には事情があり、思惑もあります。EUもNATOも一枚岩とは言えませんで
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く