「この先,いくら最先端の論理プロセスに投資しても,作るモノが足りない」―――。ソニー 執行役 副社長 セミコンダクタ&コンポーネントグループの中川裕氏は,同社が長崎に保有する「プレイステーション3(PS3)」向けマイクロプロセサ「Cell」の生産設備を東芝に売却する理由について,このように語った(関連記事)。 元々,ソニーではCellをPS3向けだけではなく,テレビやデジタル家電など幅広い機器に展開していくことで,生産ラインを埋める計画だった。ところが,PS3の販売台数が思ったほど伸びなかったことに加え,Cellそのものをゲーム機向けに設計したことで汎用性が失われ,異なる分野に展開することが難しくなったとする。その結果,生産ラインの稼働率を高く維持することが難しくなり,自前で生産する利点がなくなったという。最先端ラインをSiファウンドリのように運用すれば稼働率を高められるが,「ソニーがやる
東芝は、千葉市の幕張メッセで開催中の「CEATEC JAPAN 2007」会場において、AVノートパソコン「Qosmio」の次世代機を参考出展している。従来製品に比べ、動画処理の性能を飛躍的に向上させており、それを生かして動画処理関連の多様なソフトウエア処理を実演展示している。 同製品には、同社と米IBM、ソニー、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が共同開発したマイクロプロセサ「Cell」を基にした動画処理LSI「SpursEngine」を搭載している。従来はCPUで処理していた動画関連の演算をSpursEngineに肩代わりさせることで、動画処理に関する性能が従来製品より大幅に向上している。 手の動きで操作、テレビ番組の「顔一覧」作成…… 会場ではSpursEngineを活用した数種類のデモンストレーションを実施している。例えば「ジェスチャリモコン」は、人間の手指の動きをリ
11月11日 、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の次世代家庭用ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」が発売された。東京、大阪など都市部の主要な家電量販店やゲームソフト店には、PS3を求めるゲームファンの長蛇の列が連なり、各店で売り切れが続出した。「2006年度中に全世界で600万台」(久夛良木健SCE社長)という当面の目標の実現に向けて、好スタートを切ったかのように見える。 しかし、この好スタートは決して手放しで喜べるものではない。そこに至るプロセスを子細に分析すると、SCEだけではなくソニーグループの屋台骨を揺るがしかねないような問題が見て取れるからだ。 【1.ソニーが半導体に5000億円投資した理由】 まず、ソニーが2003年度からの3年間に、5000億円もの巨費を半導体開発に投資したことを忘れてはならない。目玉は、PS3への搭載を前提に、米IBM、東芝と共に共同開
以前はスーパーコンピュータというと,富士通やNEC,旧・米Cray Research Inc.などが開発していた超大型コンピュータを指しました。ベクトル型と呼ぶ特殊なアーキテクチャを採ったり,日米貿易摩擦の火種になったりといった具合で,多くの人にとってはおよそ身近な存在ではありませんでした。ところが,最近のスーパーコンピュータは以前とはまったく違うものになってきています。2006年10月23日発行号の特集記事「ペタコン技術が家電を磨く」では,そうしたスーパーコンピュータの最近の変化,特に家電への接近についてリポートしました。 現在主流となっているスーパーコンピュータは,要素技術やアーキテクチャが意外なほどパソコンや家電に近付いています。例えば,現在演算性能が280TFLOPSと世界一の米IBM Corp.のスーパーコンピュータ「BlueGene/L」のマイクロプロセサは,プリンタやパチンコ
この記事は、2006年9月22日に開催された「東京ゲームショウ2006」(ITpro特設サイトはこちら)における基調講演の内容を編集・掲載したものである。 ソニー・コンピュータエンタテインメントは、2006年11月11日、次世代ゲーム機「プレイステーション 3」を発売する。6年半ぶりに刷新される新しいプラットフォームは、高性能なプロセッサを備えるだけでなく、ネットワーク接続を前提に設計されている。プレイステーション産みの親である久夛良木健氏は、「いずれ、世界中のプレイステーション 3が相互につながり、双方向にアクセスが可能なリアルタイム・コンピューティング・システムを実現する」と未来を予見する。 (構成:ITpro) ゲーム・プラットフォームは、世代を追うごとに一段と高速化が進む。今や、20年前の8ビット・ゲーム機に比べて動作周波数で4桁、総演算性能で5桁、総メモリ容量は6桁も向上するとこ
「PlayStation 3用のゲームを開発しているプログラマの中には,Cellをダメなアーキテクチャと評している人もいるようですね」---先日ゲーム関連の仕事に携わるA氏と飲んだときにこんな話が出た。多くのメディアで賞賛してばかりのCellプロセッサについてこんな発言が出るとは思っていなかった記者は少々驚いた。 Cellは,IBM,ソニー,ソニー・コンピュータエンタテインメント,東芝が開発したプロセッサで,PlayStation 3の心臓部となる。1個のPowerアーキテクチャ・ベースの汎用コアと8個のSPE(Synergistic Processor Element)と呼ぶ浮動小数点ベクトル演算コアを搭載したマルチコア・プロセッサである。 マルチコアとは言うものの,CellはインテルのCore 2 Duoなどのマルチコア・プロセッサとメモリーの扱い方がかなり異なる。Cellが搭載する8
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