約7兆7500億円という巨費を投じて行われる、ブロードコムによるヴイエムウェアの買収。さまざまな企業を傘下に収めて収益性を急速に高めてきたブロードコムは、その手法を企業向けヴイエムウェアにも適用しようと考えているが、株式市場と技術コミュニティの間で評価は真っ二つに割れている。ヴイエムウェアは今後どのようなシナリオをたどるのか考察する。 (取材・文/日高 彰) 株式市場は巨額買収に好感 CAテクノロジーズ、シマンテックと、ソフトウェア企業の大型買収を続けてきたブロードコムが、次に触手を伸ばすのはヴイエムウェアだ--。米通信社のブルームバーグがこう伝えたのは米国時間5月22日。4日後の26日に両社から買収取引が正式発表されると、報道前に1株95ドル前後で推移していたヴイエムウェア株は130ドル近辺まで急騰。ブロードコム株も前日比3.6%高となり、株式市場は同社のM&A戦略を歓迎した。 買収金額