食品の中にはたくさんの発がん性物質が含まれる 原子力発電所事故で放出された放射性物質で汚染された食品について不安を感じている方が多いと思います。「発がん物質はどんなにわずかでも許容できない」という主張もあり、子どものためにどこまで注意すればいいのかと途方に暮れているお母さん方も多いことでしょう。特に飲食による「内部被ばく」をことさら強調する主張があるために、飲食と健康リスクについて、このコラムで説明します。 実は食品中にはたくさんの発がん物質が含まれており、そのリスクをどう考えるかということについてこれまで世界中の食品安全に関わる科学者が検討してきました。 放射性物質のように遺伝子を傷つけるタイプの発がん物質は「遺伝毒性発がん物質」と分類され、その有害影響には閾値(いき値)がない、つまり量がゼロでなければ有害影響もゼロにはならないという仮定を採用して管理しています。この仮説を線形閾値なし仮