人口が減少するということはいいことなのか、悪いことなのか。突き詰めて考えれば価値観次第ということになるだろう。つまり、物事はあまり突き詰めて考えないほうがいいということだ。 人口が右肩上がりに増えていくことを前提に社会が構成され制度が運用されているときに人口減少が発生すると、さまざまな問題が発生する。今の日本がまさにその状態だ。これはかなり困ったことだ。 しかし、考えてみれば、今の日本が直面している人口減少はどちらかといえば幸福な人口減少なのではないだろうか。というのは、戦乱、疫病、災害、飢餓などが原因で不幸な人口減少が生じた例は歴史上数多い。これまで人類が潜り抜けて来た悲惨な歴史を振り返るたびに、「ああ、よかった」と胸をなでおろしたくなる。 だが、油断は禁物だ。なるほど、今の日本の人口減少は高齢化に伴う死亡者数の増加に出生が追いついていないという平和な事情によるものだが、このままジリ貧状
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