たまたま目黒図書館で借りたファイアーベントの『方法への挑戦』が、新潮社の季刊誌「考える人」の2008年夏号 特集「自伝、評伝、日記を読もう」の「自伝・評伝を愉しむブックガイド」欄の「科学者」篇でも紹介されていた。ライターは、ウェブサイト「哲学の劇場」の共同主宰者で、最近『デバッグではじめるCプログラミング』(翔泳社)を著した山本貴光さんであった。その弾切れなしの小銃音のような書きっぷりは実際の誌面を読んでいただくとして、さて『方法への挑戦』である。 この本、中身を理解するには先に『思想史のなかの科学』(平凡社)ぐらいは読んでおかないと歯が立たない。それはまあともかく、この図書館本、前に借りた人が非常に勉強熱心だったようでエンピツでところどころ線が引いてある。一体、どんなところを「重要!」「至言!」「注意!」「調査!」と思ったのか、いくつか抜き書きしてみる。〔 〕、→以降は引用者による。 3