文化庁が毎年実施している「国語に関する世論調査」の平成22年度の調査結果が公表された。 「姑息(こそく)」や「雨模様」などが本来とは違う意味で用いられる例の多いことが明らかになった。 本来は雨が降りそうな様子をいう「雨模様」は、テレビアナウンサーまでが傘の列を前に「あいにくの雨模様」と語るなど、降雨の際でも頻繁に使われ、半数近くの人が“誤用”するのも無理ないことかもしれない。 これを言葉の変化と捉えるか揺れ、乱れと捉えるかは識者でも意見が分かれるところだ。歴史の中で意味や語形が変わった言葉は数多く、例えば「独擅場(どくせんじょう)」の誤読から生じた「独壇場(どくだんじょう)」は今ではすっかり定着しており、本来の「独擅場」を用いるとかえってけげんに思われる恐れもある。 そこで大切なのは、私たちが何げなく使っている言葉が世間一般に照らして正しいかどうか、常に関心を払うことであり、日常の読書と辞