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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/kenjiito (4)

  • 東電原発事故と科学技術社会論・科学史、問題の枠組みの試案 - Cerebral secreta: 某科学史家の冒言録

    東日大震災とそれに続いて起こった福島における東電の原発事故は、これまで当然視されていた前提をいくつも覆し、見過ごされていた様々な問題を改めて暴きだした。日にいる大多数の人たちはそれらの問題に関心を持たざるを得ないし、それはおそらく自然であると同時に、必要でさえもあるだろう。科学技術社会論(以下、STSと書く)とよばれる分野の人たちも例外ではない。現在の状況に直面し、何かをしなければという衝動を強く感じているこの分野人たちは少なくはないはずである。だが、それは一方で、機会に乗じて研究のネタを得て、名前を売る行為になってしまうべきでないし、他方で、多大の犠牲を払って得られた経験から教訓を学ぶ機会を逸し、その結果将来同じ過ちを犯すようなことをすべきではない。STSの分野は、その特色の一つである反省性(relfexivity)を生かして、一体どのような問いを問うべきなのかを批判的に検討すべきだ

  • 科学コミュニケーションと個人と組織 - Cerebral secreta: 某科学史家の冒言録

    先週末、東京で開かれた研究会に二つほど出席した。どちらも、とても印象深く、かつ色々と考えさせられるものだった。その二つの研究会で共通したのは、今回の震災で、科学コミュニケーションに対する批判が向けられている、という話だった。あれだけ予算をつぎ込んでおいて、非常時にいったい何をしていたのか、という批判があるらしい。これはこれで気にかかる問題であるが、それとは直接関係なく、これらの研究会に参加して、思ったことを書いてみる。*1それは、組織と個人の関係、あるいは特殊利益と一般利益の関係の問題である。 組織と個人 私が考えている状況とは次のようなものである。日社会における多くの個人は、何らかの組織に所属している。多くの場合、組織に雇用されるという関係にある。それは、高度な教育を受けた知的職業においてもそうで、一方で一部の医師や弁護士のように自営業的な独立性を持つ人たちもいる一方で、大部分の研究者

  • 『ハーバード白熱教室』の裏側:ハーバードの一般教養の授業をサンデルの講義を例にして説明してみる - Cerebral secreta: 某科学史家の冒言録

    ハーバード大学におけるマイケル・サンデル(Michael Sandel)の授業が、『ハーバード白熱教室』としてNHKで放映され*1、かなりの人気を集めて話題になっているようだ。これはすべて再放送を待つまでもなく、ウェブ上で観ることができる(ただし英語だが)。*2 ちょうどいいので、これを使って、ハーバードの学部向け一般教養の授業の作りを説明してみようと思う。色々誤解もあるようであるし、あの映像だけでは分からないこともある。 私自身は、サンデルの授業を履修したことはないのだが、大学院生のときに、一般教養の授業のTAやHead TAをかなりやったので(といってもサンデルの授業ではもちろんなく、私の専門の科学史やSTS関係の授業である)、ハーバードの一般教養の授業の仕組みはかなり分かっているほうだと思う。とくに、日人のハーバードの学部生というのがほとんどいないわけであるし、私が説明するのもまっ

  • 平成22年度文教・科学技術予算政府案 - Cerebral secreta: 某科学史家の冒言録

    「平成22年度分文教・科学技術予算のポイント」(http://www.mof.go.jp/seifuan22/yosan009.pdf)に基づく。 (政府案全体は次;http://www.mof.go.jp/seifuan22/yosan.htm) (Via『空飛ぶ教授のエコロジー日記』http://d.hatena.ne.jp/yahara/20091227/1261888837;『科学政策ニュースクリップ』http://d.hatena.ne.jp/scicom/20091225/p1) この文書はポイントだけ抜き出したものなので、基的にいいとこどりなのだと思う。だから、それなりにバイアスがかかっている可能性が高い。いまのところは情報源がこれだけなので。 それでも、全体として文教・科学技術振興費は5.2パーセント増。ただし、増額分2756億に対して、高校無償化費用が3933億円なので

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