周産期医療:現場ルポ 一睡もできないことも--県立小児医療センター /群馬 脳出血を起こした妊婦が病院に受け入れを断られた末に死亡するなど、周産期医療をめぐる問題が深刻化している。 現場はどうなっているのか。「総合周産期母子医療センター」に指定されている県立小児医療センター(渋川市)を訪ねた。【鈴木敦子】 ◇「地元で助けたい」 常勤医不足、NICU満床 「ビー、ビー、ビー」。11月下旬深夜。2週間前に「飛び込み出産」で生まれ、新生児集中治療室(NICU)に入っている男児の血液二酸化炭素濃度を示す機器が異常を知らせた。出生時の体重は約900グラム。母親が産婦人科を受診しておらず正確な妊娠週数は不明だが、26週前後とみられる。肺機能 が未熟だった。 「痰(たん)を吸引して」。当直の丸山憲一・新生児科部長の指示に、看護師がのどにチューブをさして取り除き、別の看護師が手動で呼吸器を操作し た。小