1960年代後半から始まった阪急ブレーブスの黄金期で、巨人との日本シリーズに無類の勝負強さを見せたのが足立光宏さん(80)だった。シリーズ通算9勝(5敗)のうち、8勝(4敗)は巨人戦。うち5勝はV9ジャイアンツから挙げた。数多い名勝負の中でも、ファンの心に残る一戦は76年第7戦。敵地・後楽園で2失点完投の力投で、巨人を倒して日本一になった。知力、胆力、投球術を兼ね備えた希代のサブマリンが決戦を振り返る。【取材・構成=堀まどか】 ◇ ◇ ◇ 伝説は、本当だった。1976年11月2日、後楽園球場。劣勢にいらだつ巨人ファンがミカンを投げ込み、いくつもマウンドに飛んできた。オレンジのつぶてを眺めながら、投手はつぶやいたという。「騒げ、騒げ、もっと騒げ…」と。 足立 うん、そうやね。うるさいなと思っていたら、雰囲気にのみ込まれるか巻き込まれるか。だからそういうふうに考えようと。 44年前の秋
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