「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」。昭和25年、先生は旅に出た。道づれはヒマラヤ山系なる茫洋とした男。役に立つこと、ためになることはひとつもせず、借金まみれなのに一等車に乗り、妙に現実ばなれした旅はふわふわと続く。上質なユーモアに包まれた紀行文学の傑作。 特別阿房列車—東京・大阪 区間阿房列車—国府津・御殿場線・沼津・由比・興津・静岡 鹿児島阿房列車前章—尾ノ道・呉線・広島・博多 鹿児島阿房列車後章—鹿児島・肥薩線・八代 東北本線阿房列車—福島・盛岡・浅虫 奥羽本線阿房列車前章—青森・秋田 奥羽本線阿房列車後章—横手・横黒線・山形・仙山線・松島 雪中新潟阿房列車—上野・新潟 春光山陽特別阿房列車—東京・京都・博多・八代