発行部数20万部を突破したベストセラー『サイコパス』(文春新書)。その著者である脳科学者・中野信子氏に寄せられた感想の中には、「私もサイコパスになりたい」という、サイコパスへの憧れを込めたものが多く見られたという。しかし、それはとても危険な現象である、と指摘する同氏。サイコパスと社会の関係性をひもとく特別インタビュー、最終編です。(聞き手:ログミー代表・川原崎晋裕) 「仲の良い社会」の恐ろしさ ――なぜ今サイコパスに、こんなに興味関心が集まってるんでしょうか? トランプみたいな人が当選したり、そのへんの世相の反映がある気はしますが。彼のような変革者が今求められている? 中野信子氏(以下、中野):向社会性が高まりすぎてるというのも大きいと思うんですけど。やっぱりネットの社会の発展というのも大きいと思うんですよね。世界中どこに行ってもつながれるし。 例えば、ぜんぜん「ひさしぶりですね」という感