売れそうな新書を企画しようと『国家の品格 (新潮新書)』とか『ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)』とか乱読している訳だが,平易に書きましょう,少々嘘が入っても歯切れ良く書きましょう,分かりやすい物語をつくりましょう,ということはよく分かる. 特に『国家の品格 (新潮新書)』なんか講演録を基に起こしている本であって,居眠りされない話をするにはどういうウィットを挟まなきゃいけないかとか,何か伝えたいことを噛み砕く技法という点では,非常に勉強になった. こと学術論文であれば反証可能性は大事だけれども,読み捨てる新書や聞き捨てる講演であれば,敢えてハイエクの手のひらを抜け出す必要はないのではないか.むしろ,そういった透明性のために読みやすさや明快さが犠牲にする理由は何もない. 無論ちゃんとした政策提言を出すのであれば,blogや新書でブラックボックス式に流布しやすい言説を撒