6月20日、中国のインターバンク(銀行間資金)市場で資金逼迫が起きてレポ金利が急騰した。銀行信用不安の噂が流れて以降、「シャドウ・バンキング」の急拡大、これと表裏一体の「理財産品(WMP;ウェルス・マネジメント・プロダクツ)」販売の急増が世に知られるようになった。「中国経済バブルが崩壊するのではないか」といった不安や憶測が渦巻いている。 結論を先に述べれば、「不動産や金融のバブルが大崩壊する」といったことは起きない。だが、問題は形を変えて長期化し、火の粉は中国国外にも飛び火する恐れがある。 「資金ジャブジャブ環境で起きた金詰まり」の怪 シャドウ・バンキングは資金の借り手側から見れば、銀行融資によらない非在来的な資金調達方法だ。資金の出し手側から見れば、理財産品への投資ということになる。組成の方法はノンバンク融資型や証券型など多種多様だが、共通するのは高利・短期ということだ。借り手から見ると