【マニラ=宮野弘之】フィリピンのマニラ首都圏を襲った台風16号による犠牲者は28日、140人を超えた。水が引くにつれ、家屋などに取り残されて亡くなった犠牲者の数はさらに増える見通しだ。当局によると、今回の洪水では45万人以上が被災し、なお、15万人以上が避難を余儀なくされている。政府は復旧作業を急いでいるが、救援の遅れに政府に対する不満の声が強まっている。 予報では今週中にさらに2つの台風がフィリピンに上陸する恐れがあり、被災地では、被害の拡大に警戒を強めている。 ロイター通信によると、今回の台風による被害は、14億ペソ(3000万ドル)に達するといい、台風被害としては過去最大になるのは確実だ。 アロヨ大統領は、今回の台風について声明を出し、「一生に一度の台風」として、これほどの被害は予測できなかったと釈明。救援・復旧に全力をあげる姿勢を示した。26日の降雨量は24時間で410ミリで、平年