奈良県桜井市の男児餓死事件で、保護責任者遺棄致死容疑で逮捕された会社員、吉田博(35)と妻のパート従業員、眞朱(まみ)(26)両容疑者と同じ共同住宅の住人が、死亡した智樹ちゃん(5)とみられる男児の悲鳴に虐待の可能性を感じ、管理会社に連絡していたことが7日、分かった。管理会社は「騒音」の苦情として受理しており、周辺住民らの虐待への対処の難しさが浮き彫りになった。 両容疑者の階下に住む30代の男性は、「昨年、だだをこねるのとは明らかに違う、『ぎゃー』という男の子の泣き声をよく聞いた」と話す。男性は虐待の可能性を感じる一方、確信が持てず、大ごとにしたくないとの思いもあり、警察や行政でなく管理会社に連絡したという。 共同住宅の管理会社によると、昨年3月、両容疑者の部屋から聞こえる「騒音」の苦情を受理。記録には虐待を示唆するような内容は残っておらず、「苦情が届いています」などとする紙を共同住宅の全