1日からたばこが値上げされた。日本たばこ産業(JT)によると、わが国の2010年の男性喫煙率は、36・6%(男女平均23・9%)と引き続き減少した。しかし、国際的には依然、高い数字で、値上げ後の価格も先進国の中では最低の水準にある。 禁煙をめぐる議論の高まりで、受動喫煙を含めたばこの健康被害を否定する意見は姿を消したが、一方で、日本は世界保健機関(WHO)の「たばこ規制枠組み条約」を批准しながら、たばこ産業を保護育成する「たばこ事業法」を温存する。このような国は寡聞にして知らないし、わが国のたばこ対策が徹底を欠く原因にもなっている。 たばこ事業法は即刻廃止されるべきである。その上で、所管を財務省から厚生労働省に一本化し、12年の「たばこ条約締結国会議」を日本に招致するよう求める。それが、脱たばこ社会に向けたわが国の決意を内外に示すとともに、健康面に絞ったたばこ対策の強化と「たばこ1000円