ビールの原料「ホップ」の成分に、アルツハイマー病の予防効果があることをマウスの実験で確かめたと、京都大とサッポロビールの研究チームが30日、米科学誌プロスワンに発表した。 ただ、製造工程でこの成分は除かれるため、ビールを飲んでも効果は期待できないという。同社は健康食品や飲料などの新商品の開発に役立てたいとしている。 同大の垣塚彰教授らは、脳に蓄積してアルツハイマー病の原因となる「アミロイドβ」の生成を防ぐ物質を、安全性が確認されている漢方薬約1600種類から探索。胃薬や鎮痛剤として使われるホップの成分が最も有望とわかった。 遺伝子操作でアルツハイマー病を発症するようにしたマウスで、記憶力を確かめたところ、この成分を離乳期から9か月間毎日与えると、目印のない水槽内を泳いで目的地点にたどり着くまでの時間が、健康なマウスとほぼ変わらなかった。成分を与えなかったマウスは、約5倍の時間がかかり、記憶