中原淳(東京大学准教授)のブログです。経営学習論、人的資源開発論。「大人の学びを科学する」をテーマに、「企業・組織における人の学習・成長・コミュニケーション」を研究しています。 先日、大学院授業「組織学習システム論」で「よい学習と悪い学習」ということがディスカッションの話題にのぼりました。 組織と学習に関係する実務家、人材育成に関係する方々が、 「組織の中で人が学習する」 とワードを耳にした場合に、僕たちは、どこかで、その「学習」が「よい方向にひらかれていること」を「前提」にしがちであるけれど、それは「違う」よね、という話です。学習は、常に「よいもの」へも、「悪いもの」へも開かれている、ということですね。 ▼ といいますのは、学習研究者にとっては、「学習」という言葉はとてもニュートラルな言葉なのです。社会的見地からみて学習内容が「良いこと」であっても、「悪いこと」であっても、人が、いったん