新興テレビメーカーの米ビジオが日本市場に参入──。 日本経済新聞が9月6日付の朝刊でこう報じた。この連載コラムの第5回「日本メーカーが海外勢に惨敗する理由」でも紹介したように、日本では無名のブランドである同社は北米で2007年にシェアを急拡大。液晶テレビの出荷台数で一時は首位に立った。 同社は自社工場を持たない「ファブレスメーカー」である。液晶パネルや半導体などの基幹部品を社外から調達し、テレビの組み立ても外部に委託している。そうすることで製品の価格を引き下げ、中低所得者層を相手に薄型テレビの販売を一気に伸ばした。 日本でも既に、価格を国内メーカーの半額以下に抑えた42型液晶テレビの販売を始めているという。ビジオの新規参入で国内の薄型テレビの価格低下に拍車がかかり、国内メーカーの収益が一段と悪化する可能性が出てきた。 このように、多くの産業で日本のメーカーが海外の新興メーカーの追撃を受け、