9月20日付の『日本経済新聞』に、「海外での稼ぎ 日本潤さず」という見出しの記事が載った。海外子会社の利益を配当の形で国内に環流させる額が減っていることを報じたものだ。記事によると、4-7月期に企業が海外子会社から受け取った配当は1兆1777億円で、これは前年同期比18.7%の減少だという。 この事実は、悲観・楽観両面から見ることが出来る。 悲観的に見るとすれば、2009年の4月から海外子会社から受け取る配当に対して95%を非課税とする制度を発足させたのに、海外から日本への利益環流が拡大しないのは、相対的に日本国内に投資機会が乏しいからだ、ということが言える。企業が、そもそも法人税率が高く、短期的にはデフレで(短期で済む保証は全く無いが)、長期的には人口が減少する日本に投資する気にならないのはもっともなことだ。 人口は急には変えられないし、法人税減税も進んだとしても5%減程度の小出しが予想