≪安保タカ派で経済ハト派?≫ アベノミクス論争が盛んだ。これぞ救国の経済政策と囃(はや)す声があり、株式市場などは期待を込めて上昇している。他方、「リフレ(通貨再膨張)はヤバい」という声もあって、債券市場などは冷ややかに見守っている。 ただし、本稿ではあまり指摘されていない論点を挙げてみたい。外交・安保政策ではタカ派と呼ばれる安倍政権が、経済・金融政策ではハト派となっていることに矛盾はないか、である。 例えばアメリカでは、ポール・クルーグマン教授のようなリベラル派の経済学者がアベノミクスを絶賛している。考えようによっては不気味な現象である。クルーグマン教授自身も、多分にその点を自覚しているように見える。 1月13日付米紙ニューヨーク・タイムズに載ったコラム「一歩抜け出した日本」では、安倍晋三首相は陰鬱なる正統派経済学を打ち破る者として評価されている。その上で、「日本の政治に詳しい連中は、安