科学・技術・文化 時間濃縮された資源利用の限界 / 記事一覧 この写真のように、夏に山歩きをすると、チョウが肩に止まったり、人にまつわりついたりすることがある。また、水たまりや、動物の排泄物にチョウが多数集まって吸汁することがある。 これは何故だろうか? チョウにとって、こうやって、希少な栄養素を得ることは、生存や生殖のために欠かせないものらしい。 実際、最近の広島大学名誉教授の本田計一氏らの研究によると、アゲハの一種が、アンモニアを摂取し、それを体内でタンパク質の合成に使うことで、精子の数が摂取しない場合と比較して3割増加し、生殖能力が増すという(多くのチョウの場合、ミネラルやアンモニアを吸汁するのは♂に限られる)。 自然界の生物にとって、窒素やミネラルといった自然界にありふれた物質であっても、効率的に摂取できる資源は限られており、それをこのように必死に探して命を繋いでいるわけ