超高齢化社会に突入した日本。誰にもみとられることなく、ひっそりと死を迎える「孤立死」が増加する中、「遺品整理士」なる職業がクローズアップされている。孤立死した人々の家財道具など遺品を、遺族の要望に応じて適切に処分を代行する仕事だ。65歳以上の比率は全人口の23%、その独居率は40%、生涯未婚の人は17%…。遺品整理士の「現場」を追うと--。 ■男性が孤立死した現場で 大阪市住之江区の住宅街。1階が広めの玄関と和室、2階はLDK、3階は屋根裏部屋のようなスペースという細長い3階建ての一軒家で、ひとり暮らしをしていた男性が亡くなった。2階台所の床に倒れ、死後2~3週間が経過していたという。 遺体がその場から移されたあと、家財道具が遺されたままになっていた。 「依頼してこられたのは別れた奥さんでした」。遺品整理会社「メモリーズ」(堺市堺区)の横尾将臣社長(43)が話す。 現場に到着した横尾さんと