【ニューデリー=新居益】インド政府は19日、核弾頭搭載可能で、中国全土を射程に収める初の長距離弾道ミサイル「アグニ5」(射程5000キロ・メートル)の発射実験に成功したと発表した。 潜在的ライバルである中国への抑止力を狙ったもので、今後、中印間の軍拡競争に発展する可能性もある。 アグニ5は3段式で固体燃料を使用、各個誘導多核弾頭(MIRV)を搭載し、敵の攻撃を受けにくい移動式発射台を利用する。国防省によると東部オリッサ州の実験場から発射し、インド洋上の目標地域に着弾した。開発責任者のサラスワト氏は記者団に、2年以内に実戦配備するとの見通しを示した。 1974年に初の核実験を行ったインドは、83年から弾道ミサイル開発を本格化し、89年にパキスタンを念頭に置いた「アグニ1」(射程700キロ・メートル)の発射実験に成功。昨年11月には、アグニ5の前身で、中国の一部を射程に収める「アグニ4」(射程