介護職場はブラック化しているのか-。こんな危機感を背景に、介護職員の現状と課題を考えるミニ・シンポジウムが今月、東京都内で開かれた。「低賃金の上に効率化を強いられ、やりがいも保てない」。現場を知る発言者から報告が相次いだ。新たな人材確保が困難になっている半面、離職率は高く、働く側からの介護保険制度崩壊も懸念されている。 (白鳥龍也) 介護業界唯一の横断的な労働組合で、約六万七千人が加盟するUAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)の染川朗(そめかわあきら)事務局長は、組合員六千五百人を対象にこの三月に行った意識調査の結果を紹介した=グラフ。冒頭の数字は月給制組合員のものだが、仕事への不満は時給制組合員でも約六割に上り、やはり半数が低賃金を理由のトップに挙げた。双方、「何年たっても賃金が上がらない」との理由も上位を占める。 月給制組合員の現在の平均賃金は月額二十一万三千円。厚生労働省の