(IASR Vol. 41 p117-118: 2020年7月号) はじめに 国内における新型コロナウイルス感染症の退院, 宿泊療養および自宅療養の解除基準が, 従前の核酸増幅法の検査による陰性化確認から発症後経過時間と症状軽快後経過時間を要件とする, いわゆるtest-based strategyからsymptom-based strategyに変更された。患者のウイルス量, 発症後経過時間と感染性に関する知見の集積を受け変更となったが, 我々は患者探知時の患者病日とreal time RT-PCR検査(PCR検査)におけるthreshold cycle(Ct)値に高い相関があることを確認した。 患者探知時の患者病日とPCR検査におけるCt値の相関 衛生研究所もしくは県保健所が実施したPCR検査で新規に陽性と判定され, 発症日, 検体採取日および上気道検体のCt値データがそろう患者408
アメリカ言語学会への公開書簡 日本でもよく知られた言語学者・認知科学者であるスティーブン・ピンカーをめぐって事件が起きた。 2020年7月初頭、アメリカ言語学会( Linguistic Society of America = LSA)に所属する会員たちから、同学会に所属するピンカーを、学会の「アカデミック・フェロー」および「メディア・エキスパート」の立場から除名することを請願する公開書簡が発表されたのである。この書簡には、博士課程の学生や助教授・教授を中心とした600名以上の会員たちの署名が付けられている。 公開書簡では、LSAが2020年6月に「人種的な正義」に関する声明を発表したことを受けて「ピンカーのこれまでの振る舞いはLSAの声明と矛盾するものである」と指摘されており、彼がLSAのフェローの地位にふさわしくない、と論じられている。ピンカーには差別の問題を軽視し続けてきた経緯があり
新型コロナウイルス感染拡大により、全世界の人々の社会生活や経済が大きな影響をうけています。そんな中、医療情報に関しても、多くの情報が錯綜するとともにあふれており、どれを信じてよいのか、誰を信じてよいのかと悩まされている声を頻繁に聞きます。 8月4日夕方にも、友人より「医者だからイソジンうがい薬を手に入れられないか」との問い合わせがありました。「10年以上イソジンうがい薬を処方したことはないよ。なぜ?」とたずねると、「大阪府の吉村洋文知事が、うそみたいな本当の話として、ポビドンヨードの入ったうがい薬がコロナの特効薬だとテレビで話していた」というのです。 「いや、そんなのは、デタラメだから信じないほうがいい」と返答してみたものの、気になってネットで調べると、すでにイソジンうがい薬は店頭から消え去り手に入らないとの記事が出回っていました。「○○が健康にいい」とテレビ番組で紹介されると、それがすぐ
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