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2013年12月30日のブックマーク (137件)

  • 2013年にサービスを終了した or 終了を発表した17個のサービス | creive【クリーブ】

    こんにちは。 2013年も、たくさんのサービスがリリースされた一方で、たくさんのサービスが終了、またはサービスの終了を発表しました。 今回は、2013年に終了した&終了を発表したサービスを振り返ってみましょう。 2013年に終了したサービス Google Reader GoogleRSSリーダーサービス「Google Reader」の提供が、2013年7月1日に終了しました。 利用者が減少していることに加えて、他のサービスにエネルギーに注ぐためだそうです。 日でもかなりのユーザーが日常的に使っていたサービスだけに、終了の告知はネットで話題になりました。 Official Google Reader Blog: Powering Down Google Reader Posterous 無料のブログサービスです。2008年より運営されており、2012年にはTwitterに買収されたことで

    2013年にサービスを終了した or 終了を発表した17個のサービス | creive【クリーブ】
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    amashio 2013/12/30
  • 2014年に日本でブレイクしそうな5つの海外発サービス - BRIDGE(ブリッジ)テクノロジー&スタートアップ情報

    シリコンバレーを中心に海外起業家、スタートアップの情報を発信している内藤聡氏に、2014年に日でブレイクしそうなサービスについて寄稿していただいた。 内藤氏が執筆した「2013年に日へ進出した海外スタートアップまとめ。Fab, AirBnB, Uber, Fancy, Spotify, Pinterestなど。」も今年の振り返りをかねてぜひ読んでおきたいエントリとなっている。 内藤聡氏は、ブログ『シリコンバレーによろしく』の著者。シリコンバレーを中心に、海外起業家、スタートアップの情報を発信している。彼が発信する情報は、ブログとTwitter、Facebookのアカウントをフォローすることで触れることができる。 1. Snapchat Snapchatは、写真やショートムービーを介してコミュニケーションをとるアプリで、米国を中心に10代の中で圧倒的な支持を得ている。送られたデータは

    2014年に日本でブレイクしそうな5つの海外発サービス - BRIDGE(ブリッジ)テクノロジー&スタートアップ情報
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    amashio 2013/12/30
  • FacebookはユーザーのAmazonカートに入った商品が何かを知っている

    By Paul Walsh 「Facebookは、ユーザーがAmazonでカートに入れた商品情報を何らかの方法でゲットしており、その情報を広告に利用している」という可能性が明らかになりました。 The Codist http://thecodist.com/article/how_does_facebook_know_what_39_s_in_my_amazon_shopping_cart プログラマーのアンドリュー・ヴルフさんは、Amazon.comでお気に入りのキーボードを発見し購入しようとカートに入れたところ、しばらくしてFacebookページの広告に同じキーボードが現れたのを見つけました。すぐにヴルフさんは、Amazonのカート内の情報がFacebookに検出されていることに気づいたと言います。 購入を迷っている商品をタイミング良く他のサイト広告で見かけるということはよくある偶然の

    FacebookはユーザーのAmazonカートに入った商品が何かを知っている
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    amashio 2013/12/30
  • http://www.masakazoo.com/archives/558

    http://www.masakazoo.com/archives/558
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    amashio 2013/12/30
  • 家入一真氏の新プロジェクト、動画メディアの「dropout」がテスト公開初月に70万人訪問の反響 - BRIDGE(ブリッジ)テクノロジー&スタートアップ情報

    年末のこのタイミングでも、彼ならなぜか自然に思える。2014年のはじまりと共に、家入一真氏がまた新たなプロジェクトを始動させる。 プロジェクト名は「dropout」。 家入一真氏と高木新平氏、そして彼らの運営するLivertyに集う大学生数人で構成されたチームが立ち上げた動画メディアがそれだ。 そして最初に断っておくべきこととして、私も個人としてこのプロジェクトに参加するひとりであり、稿はその点を割引いてご一読頂きたい。また経緯については家入氏との対談記事を元旦に掲載予定なので、そちらで説明させて頂く。 さておき、今日はこのプロジェクトが残した最初の1カ月、ーー実際は12月1日に公開しているので30日間になるがーーその数字と「動画と共感」、そして「家入一真をメディアにしたらどうなるか」というテスト結果をみなさんに共有したい。 問題を考える「きっかけ」となる動画を共有する dropoutの

    家入一真氏の新プロジェクト、動画メディアの「dropout」がテスト公開初月に70万人訪問の反響 - BRIDGE(ブリッジ)テクノロジー&スタートアップ情報
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    amashio 2013/12/30
  • Webサイトを常時SSL化(https)する時に知っておきたいSEOチェックリスト ::SEM R (#SEMR)

    Webサイトを常時SSL化(https)する時に知っておきたいSEOチェックリスト 常時SSL化して、http から https に移行する時に、SEOの観点から確認しておきたい項目を覚えておきましょう。「https と http は別サイト扱いなので、サイト移転だと思ってリダイレクトやURL正規化処理をする」ことが重要です。 公開日時:2013年12月30日 03:25 Webサイトを常時SSL化する、つまり全てのページをSSL暗号化してサイトへのアクセスを http://~から https://~に変更する時に、SEOの観点で注意したいポイント、実践したい事柄についてまとめます。 https:// でも問題なく検索エンジンに登録可能 かつて検索エンジンは、SSL通信のWebサイトをインデックスに登録することが苦手でした。たとえばGoogleは2000年代前半頃まで、https:// の

    Webサイトを常時SSL化(https)する時に知っておきたいSEOチェックリスト ::SEM R (#SEMR)
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    amashio 2013/12/30
  • どうして米国でChromeBookはMacの5.3倍売れているのか?

    株式会社クレイジーワークスの代表。家電メーカー系エンジニアでプリンタやSDカード関連の開発に従事。ケータイのアプリやサイト、電子書籍のシステムなどに詳しい。最近、断にはまる。 今年のアメリカでは、Chromebookがありえない成長率で売れている。台数ベースでMacの5.3倍売れている。Macipadのシェアが落ちている。特にMacの台数ベースでの下がりっぷりは30%だ。 GoogleChromebook, 今年の市場でメジャーなラップトップに成長 http://jp.techcrunch.com/2013/12/29/20131228googles-chromebooks-have-hit-their-stride/ Googleの激安ノートPCChromebook」のシェアが急増、WindowsノートPCを脅かしている実態が明らかに http://gigazine.net/ne

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    amashio 2013/12/30
  • 『自分新聞』がFACEBOOKで流行中ですが、スパムサービスの可能性があります - やまもといちろうBLOG(ブログ)

    メルマガでも書きましたが、いまいろいろと『ハーバード流宴会術』の児玉教仁さん率いるグローバルアストロラインズ株式会社の『自分新聞』他のサービスが問題になりつつあります。 興味深いのはこちらです。 FACEBOOK プロモーション http://www.peeep.us/1f197a81 この『ハーバード流宴会術』とクロスプロモーションしませんか、という話なんですが、このFB上の『ハーバード流宴会術』は『自分新聞』他サービス利用者に「いいね!」を強要して積み上げたものであります。 【重要】自分新聞をスパムとする発言・ツイートに関して http://www.peeep.us/6e1f6d9f すでに指摘されていますが、『自分新聞』を利用するためには『ハーバード流宴会術』および男女のマッチングサイト『omiai』に「いいね!」することが求められます。すると、FBの広告に自分の名前やプロフィール写

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    amashio 2013/12/30
  • 酒の切れ目は技術の切れ目 - レジデント初期研修用資料

    8年ぐらい昔。技術継承のために飲み屋さんを利用している地域があった。 誰か有名な先生を他の地方から招聘して、「つぼ八」みたいな飲み屋さんを借り切って、 ただひたすらに飲む会。 有名な医師の講演会とか、偉い人のありがたいお話とか、そういうのは抜きにして、 最初はとにかく飲む。県内の各病院の、上の人達が集まって、ただ飲む。 みんなにお酒が行き渡った頃、宴会場にスクリーンが持ち込まれる。 まだ飲んでない若手が入場して、各病院の症例、うまく行かなかった症例だとか、 苦労した症例のスライドを持ち込んで、 酔っぱらった偉い先生がたを前にして、自分の経験を語る。 会場からは、酔っぱらいの容赦のない突っ込みが入る。 「どうしてこういうやりかた試さなかったの?」だとか、 「こんなケースはこうすればいいんだ」とか。忌憚のない、でもみんな酔ってるから「厳密な検証」なんかとは 少し外れた、ベテランの知恵みたいな言

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    amashio 2013/12/30
  • チームに対する考えかた - レジデント初期研修用資料

    「指示する人」と、「指示されて動く人」とがいる。 病院だと、「指示する人」はたいてい医師であって、「指示される人」は看護師さんであることが多くて、 個人的にはそれを逆にする形、いろんな人から医師が支持されて、それに反響返していくうちに、 患者さんが治ってた…というのを目指してるんだけれど、なかなか難しい。 「指示される人」が目指してるロールモデルは一つでなくて、 「ガンダム」目指している人と、「鉄人28号」目指している人とに分かれている印象。 「ガンダム」と「鉄人」とが共存するのは難しくて、しばしば危険で、それは個人のポリシーと言うよりも、 むしろ病院だとか、地域の文化が、目指すべき、あるいは求める資質みたいなものを決めている気がする。 「鉄人28号」目指す人達 鉄人28号には、「行け鉄人」と「飛べ鉄人」、「頑張れ鉄人」ぐらいのコマンドしか存在しない。 ごく簡単な指示しか入らないけれど、鉄

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    amashio 2013/12/30
  • 表現型は輸入できない - レジデント初期研修用資料

    「航空業界のやりかたを見習いましょう」なんて考えかたが、病院では今ずいぶん話題になっている。元航空業界の人達だとか、航空から流れて、原子力の安全問題かすった人達なんかが「安全コンサルタント」自称して、いろんなところにい込んでる。 休憩時間をしっかり確保すること。安全委員会を立ち上げること。事故のレポート提出を義務づけて、対策を委員会で考えること。恐らくは航空だとか交通だとか、文化としての安全が先行している業界で行われていた慣習を輸入したのだろうけれど、 こういうのを真似しても、たぶん役に立たない。 昔はこれが正しいと思ってた ずいぶん昔、「チーム医療で防ぐ医療過誤」という 文章を書いた。これは画期的だろうなんて、当時はそう意気込んでWeb に乗っけて、全然受けなかったんだけれど。 今から6年も昔。まだ当時は、自分も「航空業界見習おう」なんて思ってた頃。 医療過誤の多くは「ヒューマンファク

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    amashio 2013/12/30
  • 文化は誰のものか - レジデント初期研修用資料

    医師がまだ「プロ」として認知されてた大昔、自分たちは病院内で自由に振る舞って、 患者さんは慎み深く、トラブルなんてなかった。 技術だとか、知識だとか、彼我の差は圧倒的で、だから病院は聖域であり得たし、 トラブルが起きたところで、もしかしたらたぶん、患者さんには、それがトラブルであると認識出来なかった。 時代は進んで、いろんなことがやりにくくなった。 患者さんの突っ込みは厳しいし、「自由に振る舞う」なんてとんでもないし、 どんなトラブルも、それが起きたその時点で、そこにいる全ての人が、 「トラブルである」と認知するようになった。 時計の針を逆に回すやりかた。 知識は追いつかれる 「知」というのは、それが知であるためには記述可能で、再現可能でないといけない。 知識は広まって、模倣されて、広まるが故に、いつかありきたりになって、追いつかれる。 進歩のスピードは、維持できない。 自分が医師になって

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    amashio 2013/12/30
  • 水は低いところに流れる - レジデント初期研修用資料

    「顧客の声に耳傾けるのは大切」なんて言われるけれど、耳を傾けたその瞬間から、何か大切なものが劣化する。 小児医療無料化のこと 「医療費はタダがいいよね」なんて「顧客」の声が、小児医療の無料化を実現した。 これから大変になる、らしい。 自分たち、それでもまだ部外者でいられる内科や外科は、この問題を「数」の問題と考えていた。 無料化して、外来に人が殺到して、ただでさえ少ない小児科医が疲弊して、系全体を巻き込んで潰れる情景。 小児科の先生に言わせると、無料化で問題になるのは、むしろ「質」、患者さん側からみたときの、 医師の価値がゼロになることなんだという。 無料になっても、大多数の患者さんは、やっぱり病気にならないと病院には来ないし、みんな忙しい。 無料化すると、夕方の外来はたしかに混雑するらしいのだけれど、それはまだ、覚悟ができていれば何とかなるのだと。 問題なのはむしろ、小児科医療が、患者さ

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    amashio 2013/12/30
  • 人工呼吸器の思想的後退について - レジデント初期研修用資料

    呼吸状態の悪い患者さんがいて、病棟で挿管して呼吸器につないだ。 電源も、酸素の配管も、いつもどおりにきちんと接続されているのに、呼吸器は作動しなかった。すごく焦った。 その日はたまたま、今まで使ってた呼吸器がメンテナンスに出されてる日で、病棟には代替機として、 その呼吸器の次世代機が入ってた。見た目はそんなに変らなくて、「制御系が今までよりよくなってます」 なんて説明で、普通に動いてたから、納得してた。 一度動いてしまえば、呼吸器の操作は今までと同じなんだけれど、一番最初の起動手順、 呼吸器と患者さんとが接続されて、「最初の一呼吸」が開始されるとき、新型機は、 医師に「モード設定」を要求するように変更されてた。 呼吸器は、「電源入れたら勝手に動く」のが当たり前だと思ってたから、この変更はショックだった。 昔はスイッチなんてなかった ベトナム戦争前後に登場した最初の呼吸器は、そもそもスイッチ

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    amashio 2013/12/30
  • 一本勝ちは強いのか? - レジデント初期研修用資料

    ボクシングだとかレスリングみたいに、「相手が自分と同じ技量を持っている」 ことを前提に技が作られている競技と、合気道みたいに、「相手がこちら側の技を知らない」ことを前提に している競技とがあって、柔道もどちらかというと、「技をかけられる側の無知」を前提にしている気がする。 柔道の授業で習ったこと 柔道の授業では、最初に受け身の練習があって、お互い試合を始める前に、 「これだけはやるな」という教えを受ける。 投げるときは、絶対に足を曲げちゃいけないこと。投げられたら、粘らないで素直に受け身に入ること。 「これ守らないと、死ぬぞ」とか、一番最初に注意される。 投げるときに足を曲げると、受け身とれないまま、後頭部から床に落ちるし、 投げられるときに粘ろうとすると、投げられたとき、2人分の体重が腕にかかったりして、骨が折れてしまう。 お相撲の「河津掛け」みたいなことすると、だから当に危ないだとか

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    amashio 2013/12/30
  • 「乱暴な当直マニュアル」を作りたかった - レジデント初期研修用資料

    出版をもくろんで、いろいろあって潰れた企画。研修医向けの、「翌朝まで」を乗り切るためのになるはずだった。 各科の言い伝え 都市伝説にも届かないような、いろんな先生方から聞いた、乱暴な一言。 腹痛の患者さんは、絶して抗生物質と十分な輸液を入れておけば、一晩は死なない 例外として「化膿性胆管炎」「急性膵炎」「腹部大動脈瘤」「絞扼性イレウス」は、特別な治療をする必要がある。これは単純CTで診断できる 虫垂炎は、絶と抗生物質のみで、手術しない方針の病院もある。だから点滴と抗生物質守っていれば、不作為は問われない 意識障害原因が分からない患者さんには、気道確保とステロイド、ガンマグロブリンを用いたら、それ以上は専門家でもやれることはない ゼーゼーして酸素濃度が上がらない患者さんは、人工呼吸器つないでステロイド、血管拡張薬を使ったら、原因がなんであれ、それ以上何もできない 肺炎治療のガイドライン

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    amashio 2013/12/30
  • 大きな数に対する態度 - レジデント初期研修用資料

    ちょっと前、若い人が原因不明の発熱で入院して、診断がつかなかったことがある。 目に見える症状は「発熱」だけだったから、熱源調べたり、血液の培養出したり、 考えて、調べて、「これ」という原因がはっきりしないまま、何日か経った。 その方は、外来でCTを撮られてて、わずかな胸水があったから、フォローの意味でCTが再検された。 夕方のカンファレンスで「原因がはっきりしない人がいる」なんて、その患者さんの画像が供覧されて、 誰かが「肝臓縮んでるよね…」なんて指摘した。 そういう視点で検査データを見直すと、たしかに日を追うごとに肝機能が悪くなっているように見えて、 この時点でうちの施設では白旗上げて、大学にお願いすることになった。 大学では、入院したその日に原因分かって、すぐに治療が始まった。 検査の力 どこの病院にも「スクリーニング採血」という考えかたがあって、入院した患者さんは、 原因にかかわらず

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    amashio 2013/12/30
  • 弔辞の比較 - レジデント初期研修用資料

    赤塚不二夫 氏の葬儀で、タモリが読んだ弔辞の比較。たぶんそこに集まった記者の人が聞き書きしたものだけれど、 新聞社ごとの立ち位置とか、葬儀に集まった人に対する考えかただとか、いろいろ邪推できて面白い。 比較したのは朝日新聞と、産経新聞。産経新聞のほうが文字数が多いから、 たぶん産経新聞のほうがオリジナルに近くて、朝日新聞は、それに編集を加えた印象。 asahi.com(朝日新聞社):タモリさん声震わせ「私も作品」 赤塚不二夫さん葬儀 - 文化 赤塚不二夫さん葬儀 タモリさんの弔辞全文(産経新聞) - Yahoo!ニュース 朝日新聞のタモリは、亡くなった赤塚に語りかけるというか、どこか客観的な、 何だか卒業式で生徒を送り出すときの「教師」のような口調。 産経のタモリは、 訥々とした話しかたで、葬儀に集まった人達に、師匠としての赤塚を紹介する「弟子」のような、 そんなイメージを持った。 以下比

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    amashio 2013/12/30
  • かっこ悪いことは本当はかっこいい - レジデント初期研修用資料

    どんなベテランでも判断ミスから自由になれないし、油断すれば失敗する。患者さんに怒鳴られたら 腹も立てるし、相性のいい研修医とそうでない研修医、神様じゃないから、平等に接することなんてできない。 ときどき完璧になれても、常に完璧でいられる人なんていない。それを「たるんでいる」とか批判すること それ自体が欺瞞であって、むしろ完璧になりきれない人、だらしのない、失敗ばかりする医師こそが 「正常」であって、そこから始めないといけない。 みんなミスをする どんなときでも冷静沈着、どんなに疲れているときでも熱心さを失わない人は、たぶんどこかおかしい。 その人は、人としての「正常」なんかではありえなくて、何かが過剰であって、 たぶんどこかで、その過剰さの代償として、必要な何かが欠けていたりする。 「正しい医師」というのは、相当に理想化された、 目指すべき対象としての存在になってしまって、世間が求める「正

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    amashio 2013/12/30
  • マナーのこと - レジデント初期研修用資料

    病棟のちょうど真ん中、ナースルームというところは、普段からドアが解放されていたり、 新しく造られた病棟だと、最初から「壁」が存在しないところも多い。 病院という場所は、ほとんどあらゆる人間模様の集積地みたいな場所だし、そこで暮らす自分たちもまた、 聖人なんかとはほど遠い人間の集まり。ナースルームでやりとりされるのは、他の誰かに聞かれたら困る話題ばっかり。 病状のこと。治療のこと。あの患者さんのご家族には些細なことですぐ怒られるから気をつけたほうがいいだとか、 あの患者さんは「痛がり」で、ナースコール頻回だからどうにかして下さいだとか。 昔はそれでも、医療者は聖職者ということになってたからなのか、口が災い招くケースは少なかったような 気がするけれど、こんなご時世だから、今はもちろん、患者さんだとか、ご家族だとか、病棟スタッフの ちょっとした軽口は、しばしばとんでもない災厄を生む。 「マナー」

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    amashio 2013/12/30
  • 「医学的」は案外狭い - レジデント初期研修用資料

    年次が上がるにつれて、当直とか徹夜とか、だんだん辛くなってきて、 「深く眠る」、ただそれだけのことが、今はすごく切実。 求めるものはみんな一緒。上の先生がたは、エルゴフレックス という寝具を使ってて、けっこう調子がいいらしい。 マットレスと敷き布団と、セットで20万円以上する代物だけれど、お店で寝かせてもらうと、 体が空中に浮かんでるような気がして、たしかに気持ちよく眠れそう。 お店の人には、「気持ちがいいだけじゃなくて、背筋がまっすぐになって、医学的にもいい効果があるんです」なんて 勧められた。いちいち「医者です」なんて断らないけれど、医学的かどうかぐらい、自分たちに決めさせてほしいなと思った。 「背筋まっすぐ」は医学じゃない 「気持ちがいい」は医学じゃないし、「背筋がまっすぐ」もまた、医学じゃない。 背筋が曲がった状態は、医学的に見て、たしかに正常ではないけれど、 ならば背筋がまっすぐ

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    amashio 2013/12/30
  • 信頼を価値につなげる - レジデント初期研修用資料

    ピーク性能自体は決して高くないけれど、裏切らない、不実なことをしない、そんな「まじめ」な人の まじめさというものが、何かの価値につなげられないか、ときどき考える。 その人に成し遂げられる仕事というのは、もっと人件費の安い、中国だとかベトナムあたりに 外注しても変わらない。まじめさは、昔は美徳として尊重されたけれど、 今は何だか影が薄くて、損してばっかり。 まじめな人に任せたときの安心感というか、 信頼性維持のコストを削減できる部分であるとか、 それを実体を持った付加価値につなげることができるようになると、著とだけ幸せになれる気がする。 ピーク性能と信頼性 何かを生み出したり、何かを発想することに価値が生まれる業界には、「まじめなだけ」の人の出番はない。 問われるのは生み出されたものの品質、ピーク性能であって、 それを生み出した人がどれだけいいかげんであろうが、「まじめに作られた駄作」には、

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    amashio 2013/12/30
  • 欺瞞と匿名がネット社会の本質 - レジデント初期研修用資料

    世田谷区の小学生が、任天堂の携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」を使った、 独自の鬼ごっこを考え出して遊んでるなんてニュースが、なんだかすごく未来っぽい。 細かいルールは報道されていないけれど、基は普通の鬼ごっこ。 ゲーム機の通信機能を駆使して、「鬼が来た」だとか、「○○君が鬼になった」だとか、 お互いに情報を交換したり、あるいは鬼になった子供が偽情報流して「人間側」の混乱を はかったり、情報戦になるらしい。 「DS鬼ごっこ」に感じたわくわく感、今まで見たことのないものを見たときに感じる、 前向きな違和感みたいなものというのは、「誰もが欺瞞情報を流せる」というところなんだと思う。 トランシーバー鬼ごっこの頃 子供の頃にはトランシーバーが流行ってて、鬼ごっこだとかかくれんぼだとか、 そんなときに誰かがおもちゃのトランシーバー持ち込んで、おしゃべりしながら遊んだ記憶がある。 トランシーバーみたい

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    amashio 2013/12/30
  • 「大丈夫」の排出権取引をやらせてほしい - レジデント初期研修用資料

    今の時代、「大丈夫」という言葉は、腕を磨いて到達するものではなくて、「ここ」という領域を 切り取ってくるものになっている。 テレビに出てくる病院 TBS の医療番組をときどき見る。今時珍しい、医師を褒めちぎるスタンスの番組。 特集されるのは、たいていは個人の病院。あんまり聞いたことがない、主流と外れた治療を売りにしている。 誰でも聞いたことがあるような大きな病院で仕事をしていて、「普通の仕事を無難にこなしています」なんて 医師は、出てこない。 前半部分は医師の紹介。患者さんのためを思って、 要約の思いでこの治療に到達しただとか、休日は趣味に打ち込んで、患者さんのために自らリフレッシュする姿だとか。 休日に受け持ち患者さんトラブって、夜中呼ばれてそのまま泊まったり、「わざわざ東京から出てきました」なんて 遠縁の親戚がやってきて、「説明を求めます」なんて、日曜の夕方に、居丈高な身内の人を前に怖

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    amashio 2013/12/30
  • 粒度について - レジデント初期研修用資料

    今さらながら、手術後患者さんの塞栓予防について、「どの薬使おうか」なんて相談してる。 とくに整形外科の患者さんは、術後の安静時間が長かったりで、下肢の静脈血栓を合併しやすい。 足が腫れたり、場合によっては血栓が肺に飛んだりして怖いから、今ではどこの病院でも、 下肢にフットポンプみたいなものをつけてもらったり、抗凝固薬を投与したりして、合併症を予防する。 薬物による塞栓予防にも何種類かやりかたがあるけれど、伝統的には「ヘパリン」を使う。 もっと効果があったり、あるいはもっと簡単に使える新製品が、いくつか出てる。 ヘパリンのこと ヘパリンは、大昔から流通している抗凝固薬。 半減期が短くて、何回も注射する必要があったり、効きかたが人によって異なるから、 まじめに使おうと思ったら、定期的に採血を行って、効き具合を測定しないといけない。 ヘパリンのこうした欠点は利点でもある。半減期が短いから、効き過

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    amashio 2013/12/30
  • 型のこと - レジデント初期研修用資料

    型というのはたぶん、何かを学習するための道具なのであって、それ自体を学ぶべき目標と 定めてしまってはいけないのだと思う。 弓道に関するうろ覚え もう道場に行かなくなってずいぶん経つから、うろ覚えでしかないけれど、 今の弓道で教えられている「型」というものは、実用的と言うよりは、ある種政治的な経過で決定されたものだった。 弓は来が実用的な道具であって、よくあたり、破壊力の高い弓のひきかただとか、狙いかただとか、 昔は日中で様々な流派があったり、秘伝があった。第二次世界大戦前、国の武道を統一しましょうなんて 運動が起きて、当時の弓道の偉い人達が集まって、「これからの弓道」みたいなものを話しあって、 「型」を決めたのだという。 当時のそれは、日中で行われていた弓の型をそのまま平均したようなもので、全国的にも評判が悪かったから、 戦後になって弓道が復活した頃、偉い人達がもう一度相談して、今の

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    amashio 2013/12/30
  • 学問の舞台設定 - レジデント初期研修用資料

    しっかりした地盤なしで成立する建物がないように、専門家が「学」を立ち上げるためには、 専門知識が実際に役立つための舞台設定が欠かせない。 砂漠戦に強い将軍がいたとして、その人が単純に「強い」という理由だけで艦隊を率いる立場に抜擢されても、 たぶん勝てない。将軍の「強さ」というのは、あくまでも砂漠という舞台があってこそ成り立つもので、 舞台が変わって、戦いのルールが変われば、その人がいくら名将であったとしても、その力を発揮することは難しい。 将軍の「強さ」、専門家の「専門性」みたいなものは、だから特定の舞台設定とは不可分なもので、 自らの知識を役立てるための舞台を定義できない学問は、それがどれだけ壮大な知識と技量とを集積していても、 肝心なところで役に立たない。 基礎のない建物はありえない 何か建物を造るなんてことを考えたとき、「基礎を作る」人達と、基礎の上に何かを立てる人達とは、 考えかた

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    amashio 2013/12/30
  • 「元気玉」の社会的有用性 - レジデント初期研修用資料

    「外傷がひどくて血が足りません。知りあいを当たって、A 型の血液を集めて下さい」なんて、 ご家族に協力を依頼できた時代は、あるいは医師-患者間のトラブルは少なかっただろうなと思う。 その頃はまだ、そこに集まった全ての人が、患者さんの治癒に貢献できたから。 重症の患者さんが運ばれてくる。治療だとか看護、書類仕事なんかを含めて、今は病院が全部やる。 ご家族はその間、待っていることしかできない。神様なんていなくなって久しいから、祈ることもできない。 「その場にいながら、貢献できることが何もないという状態」は、顧客を不安定な気分にさせる。 提供されるのは完璧なサービスだけれど、「何もしないで黙って待つ」に我慢できなくなった顧客は、 今度はきっと、そのサービスそれ自体を叩きはじめる。 悟空は幕引きに元気玉を使った 漫画「ドラゴンボール」の終盤、魔神ブウを倒すのに、悟空は「元気玉」を使った。 物語の設

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    amashio 2013/12/30
  • 「きれいなやりかた」を目指して失われるもの - レジデント初期研修用資料

    外傷の患者さん受け持って、いろんな方からJTEC、「外傷初期診療ガイドライン」読むといいよ なんて言われた。読んでみて、やっぱりなんか無理だと思った。 「現場の裁量」認めちゃいけない ガイドラインは分厚くて、「この通りにやれば大丈夫」を目指しているよりは、 むしろ「医師ならここまで知っているべき」みたいな知識を示すやりかた。 「ガイドライン」うたってるんだけれど、書かれかたとか、講義のDVDだとか、むしろ「お手」の医療みたい。 「頭部外傷にとらわれて、いきなりCTスキャンオーダーしてませんか?」なんて、 読者を挑発しつつも正しいやりかたを提示して、講義が進んで「診断」する段になると、 「必要な場合には画像診断も参照する」とか、微妙に逃げて、もとい現場の裁量を認めてた。 「必要があれば」とか、状況ごとの術者の判断だとか、「ルール破り」を暗に認める書きかたは、 もちろんそう書くことそれ自体は

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    amashio 2013/12/30
  • 猜疑心村の診療所 - レジデント初期研修用資料

    ときどき酔っぱらった人を診察する。様子がよく分からなくて怖いから、 「朝まで様子見ませんか?」なんて水向けるんだけれど、「俺は大丈夫だ」とか 宣言して、たいていお金踏み倒して帰る。それでも無事ならばいいんだけれど、 日のどこか別の場所では、「大丈夫」で帰って亡くなってたりするから、 朝まで怖かったりする。 「おまえは冷たい」だとか、同じく酔った友達の人になじられる。 診るほうだって殴られたりするから、「帰る」という人を無理には止められないし、 帰るなら帰るで、同意書みたいなもの書いてもらわないと、身を守れない。 そういう態度は、たしかに何だか官僚的で、「冷たい」ものに見えるのかもしれない。 冷たくしてるというよりも、むしろ恐怖に震えてるんだけれど。 医療過誤保険のこと アメリカの医療費は高い。医師の報酬もまた高い。医療過誤に対する保険料はもっと高い。 アメリカの救急医は訴訟が多くて、賠償

    amashio
    amashio 2013/12/30
  • 多発外傷の人が来た - レジデント初期研修用資料

    当直の反省。 内科の一人当直。その日の救急当番病院は、地域の総合病院だったのに、 多発外傷の患者さんを引き受けることになった。 「自転車で転んだ患者さんです。軽症です。顔から出血しています」 その日の当番病院が忙しいとかで、「自転車で転んだ」患者さんがうちに来ることになった。 「内科の先生でも大丈夫です」なんて。 たしかにその患者さんは自転車で転んだんだけれど、その上を、 自動車に通過されてた。顔から骨見えて、足はあらぬ方向に曲がってた。血圧は触れたけれど、意識は怪しかった。 多発外傷を内科で診るの無理だから、慌てて当番病院に電話した。さすがに嘘言えないから、 正直に話したら、むこうは満床になった。目の前真っ黒になった。そんなはずないのに。 頭真っ白になりながら、ライン取ってモニターつけて、外科の先生と検査の人呼んだ。 待つまでの20分が、長かった。 ご家族の目は怖い 多発外傷の超急性期は

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    amashio 2013/12/30
  • 思考と暴力の相補性 - レジデント初期研修用資料

    父親が亡くなったとき、もちろん葬儀を行う必要があって、 大学の人達に葬儀社を推薦していただいた。 「先生ぐらいの方であれば、このぐらいの規模は必要かと存じます」なんて、腰の低い葬儀社の人が 相談に乗ってくれた。「800万円」の後半を請求された。すごい業績を残された方でしたとか、 大勢の人がいらっしゃいますから、大きな会場が必要ですとか、何だかいろいろ声をかけてもらったんだけれど、 よく覚えていない。 身内亡くなったばっかりで、みんな頭真っ白で、それでもさすがに、800万円の請求書見て目が覚めた。 払えるわけない。ハンコ押す一歩手前だったけれど、その日はお引き取りいただいて、 それでも葬儀の日程だけは、「いい人」達の提案に逆らえなかった。 夜になって、ようやくみんな考えた。「値切ろう」なんて話になって、翌日来ていただいて、 「お金払えません」なんて頭下げた。同じ条件で、200万円以上値引いて

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    amashio 2013/12/30
  • 建築物としてのルール - レジデント初期研修用資料

    去年以降診療報酬が改訂されて、ベッドあたりの看護師を、一定以上の人数確保した病院は 「いい病院」と認定されて、入院基料を多く請求できるようになった。 この制度で得られる補助金は、経営方針変えるぐらいに大きなものだったから、 大学病院だとか、地域の公立病院なんかが真っ先にこれに飛びついて、地域の看護師を引き抜いた。 うちみたいな民間はあおりをって、主任クラスのナースが引き抜かれて、えらい目にあった。 ところが今年になって、施設の審査基準が厳しくなった。看護師引き抜いて基準クリアして 補助金もらってた大規模病院は、一転して補助金もらえないことになって、今度は赤字に苦しむことになった。 赤字が出るなら、増やした人を使い回して、ベッドブン回して、赤字分「稼ぐ」のが筋なんだけれど、 補助金ルールが駆動してると、「稼ぐ」とかえって不利になる。 ベッドあたりの看護師をもっと増やせば、また補助金が出る

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    amashio 2013/12/30
  • 能力のこと - レジデント初期研修用資料

    「激動中国」という番組で、中国の医療が特集されていた。片目を失明してしまった少年が、 網膜のレーザー照射を受けるために700km離れた北京まで出かける必要があって、それには ものすごいお金がかかって、一家が経済的に傾くお話。 番組を作った人達は、高騰する医療費に批判的な、市場化が暴走した医療を問題視する 立ち位置だったけれど、取材を受けていた一家に限れば、問題はむしろ他にあるように見えた。 主人公の子供さんが受けていたのは、たぶんごくありきたりな治療。報道されていたのが全てだったら、 わざわざ北京まで出かけた先の「名医」は、必ずしもすごい技量を発揮していたわけではないし、 子供が受けていた、網膜のレーザー照射にしても、日だったらどこの市中病院にでも普通においてあるような機械。 中国の医療レベルは決して低くなくて、トップクラスは普通に英語をしゃべれるし、医療機器なんかも、 法律の縛りが穏や

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    amashio 2013/12/30
  • 事象が社会と接続される - レジデント初期研修用資料

    秋葉原の無差別殺人事件を見ていて思ったこと。 青年が「巖頭之感」という遺書を残して華厳の滝に飛び込んだ、昔の事件を思い出した。 個人と社会とを切断することに失敗して、事件が社会に接続されてしまった例として。 行動規範が一人歩きする その人が亡くなった理由がよく分からなくて、何だか哲学的な遺書が残って、 メディアだとか、権威だとか、いろんな人達が、遺書の解釈だとか、評価だとかを 行った結果、単なる自殺は社会に接続されて、自殺という行為それ自体が、 新しい行動規範を生み出してしまった。 「悩める青年は、自殺という手段を通じて、自らの悩みを世に問うべきだ」みたいな ロールモデルが一人歩きした結果、そもそも死ななくてもいい人が、「死ぬべき」なんて 社会の気分を受け入れて、ずいぶんたくさん亡くなったのだと思う。 最近になって、あの人が自殺したのは、当は恋煩いみたいな個人的な悩みが原因であったなんて

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    amashio 2013/12/30
  • 物語と利権 - レジデント初期研修用資料

    「この物語が広まって誰が特をするのかを考えましょう」なんて、道徳の授業でやってほしい。 「みんなで助けあいましょう」だとか、「高齢者を敬いましょう」だとか、道徳含んだ物語の読み聞かせ。 自分たちが子供の頃だと、「このときの主人公はどんな気持ちだったと思いますか?」とか、物語に 共感して、物語が来持っているメッセージを無批判に呑み込むことを強要されて、道徳の授業はおしまい。 それがどんな物語であっても、作家が「伝えたいこと」を抱いたその時点で、 その物語は利権から自由でいられないし、よしんば物語を書いた作家自身に、 そんな意図が無かったとしても、物語は、意図を持った誰かの編集から逃れられない。 「姥捨て山」の利権 知恵ある高齢者が窮地に陥った息子を救う「姥捨て山」だとか、孝行息子に奇跡が 訪れる「養老の滝」みたいな物語を広めたのは、今で言うところの「後期高齢者」の人達なのだと思う。 昔話は

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    amashio 2013/12/30
  • 運用解決と構造解決 - レジデント初期研修用資料

    1974年のパリ上空、トルコ航空のDC-10 が墜落して、乗客346人が全員死亡した。 飛行中に貨物扉が吹き飛んで、機体が制御できなくなったらしい。 この飛行機は、貨物扉が「半ドア」のままでもロックできてしまう問題を以前から指摘されてて、 改善が勧告されていたけれど、航空会社はドアに「のぞき窓」をもうけて、ロックがきちんと為されているよう、 整備担当の人に確認させることで、問題は「解決」されたことにしていた。 ごく最近、世界一高い航空機、B-2 爆撃機がグアムで墜落した。 原因はセンサーが湿気によって誤作動したことで、湿気の高いグアムの基地では、 始動前にセンサーを熱して、内部の湿気を蒸発させるという「技」が、 一部のパイロットや整備士らによって非公式に行なわれていたのだという。 島根県の診療所で、血糖測定用の針が使い回されて、肝炎ウィルスが拡散した。 採血の機械は6 回続けて使用可能で、

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    amashio 2013/12/30
  • 怪しげな医療のこと - レジデント初期研修用資料

    オリンピック目指すような運動選手のそばに、何だか怪しげな医師だとか整体師だとかが群がってるのは、 たぶん選手の周りにいる人達が、「原因」を求めるからなんだと思う。 「理由の不在」は、たぶん運動選手の文脈では認められない。伝統的な西洋医医学が 「分からないけれど様子を見ましょう」なんて繰り返すたび、理由を求める人達は、 「これが原因です」という断言を求めて、怪しげな「診断」を提供する治療者にたどり着く。 選手に「安静」は許されない マラソン選手の人達が「ふくらはぎの違和感」なんかを訴えても、あれを自分たちの医療機器で証明することは、 もしかしたら難しい。筋肉に出血でもあれば、それをMRI で見つけることもできるけれど、 運動選手の感覚はものすごく鋭いだろうから、恐らくは「出血」なんて状態になるはるか手前で、 異常を「違和感」として訴える。 西洋医学の文脈では、「分からないけれどとりあえず死な

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    amashio 2013/12/30
  • 「未知のウィルス感染症」のこと - レジデント初期研修用資料

    学生だった頃、目が見えないのに、近所の「教祖様」が書いたお札を眼に貼ると目が見えて、 乗用車で通ってくる眼科の患者さんがいた。 教祖が当にすごい人だったのか。病院がすごくないのか。その人が嘘付いてるのか。 そもそも「車を運転するのに視力が必要」なんてこと自体が先入観であって、 その患者さんを観測している我々全員が間違ってたのか。 証明しようがないことは、「絶対こうだ」なんて言えないんだけれど。 未知のウィルス感染症報道 陸上長距離・絹川、五輪出場厳しく…謎の感染症完治せず なんて報道があって、朝の医局でちょっと話題になった。 だいたい半年ぐらい続いている、全身を移動する痛みが主症状で、放射線同位元素を使った検査で 骨折が見つかって、「特別な血液検査」を行ったところが、赤血球と白血球とが 変形していて、「未知の感染症が疑われる」なんて報道。通常の血液検査は、 全て正常所見だったらしい。 「

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    amashio 2013/12/30
  • 平和を求める声が戦争を呼ぶ - レジデント初期研修用資料

    動物には、「同族同士は殺しあってはいけない」という共通認識が組み込まれていている。 同族どうしで利害の対立を生じても、だから争いは威嚇だけで終わったり、暴力が導入されても、 それは儀式的な戦いで終わることが多くて、「殺しあい」に発展することは少ないらしい。 同族で殺しあうことに対する抵抗感は、人間であってもやっぱり強い。 第二次世界大戦以前、兵士の発砲率はせいぜい2 割ぐらいで、「殺さなければ殺される」ような 状況においてもなお、多くの兵士は銃を撃たなかったり、あるいは狙いを外したりして、 自ら「殺す」ことを避けようとした。 人間には、元々から争いを避けるような性質が備わっていて、それをそのまま生かすような やりかたをすれば、状態としての平和は、結果として達成される、はずだった。 合理化が抑制を解除する 「殺したくない」という抑制は、相手との物理的な、心理的な距離が近いほど強力になる。 剣

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    amashio 2013/12/30
  • 10年ぐらい先の流れ - レジデント初期研修用資料

    10年ぐらいすると、総合病院で入院を診る内科と外科がいなくなるかもしれない。 総合病院からまた人が抜けた 近くの総合病院で、循環器の病棟守ってた先生が退職されて、「今後当院では循環器疾患を診療することができなくなります」 なんて回覧がきた。 人数規模も、ベッド数も、うちなんかよりもダブルスコアで物量誇ってる施設なのに、 去年神経内科がいなくなって、循環器が抜けた。「頭」と「胸」が守備範囲から外れて、 救急を取ってくれなくなった。今月からはもう入院診ないとかで、かかりつけの患者さんが胸痛訴えると、 「入院の可能性があるかもしれないのでそちらへ」なんて、患者さんが回される。 施設来の「能力」で言ったら、どう考えたって向こうの方が上なのに。 県内の有名公立施設の麻酔科部長が、やっぱり今度退職されて、もっとずっと小さな病院に移ることになった。 特定の疾患しか診療しない専門施設。補充の当てなくて、

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    amashio 2013/12/30
  • 泥沼パターン - レジデント初期研修用資料

    叩かれて反論して、いつまで経っても議論がかみ合わないのに、 気がついたら一方的に勝利宣言されて、何だか世間では自分が「負けた」 ことにされてる。 そんな理不尽の、パターンと対処。 見える「世間」はものすごく狭い それはコメント欄であったり、ブックマークに寄せられたコメントであったり。 実際にサイトを見て下さる人は、たぶん数万人の単位でいるはずけれど、 その人達が文章を読んで、実際のところどう思っているのか、文章を書いた 側からは、「コメント」を通じることでしか、把握することができない。 自分は「こう」思われているなんて、作者の印象は、だからコメントを 残したり、ブックマークを残してくれる、ごく少数の「世間」が決める。 世間はすごく狭い。 自分がこの場所で文章を書く。たまにほめられたり、叩かれたりする。 時々「匿名ダイアリー」みたいなところでも書く。匿名だから、 いつもと同じ立ち位置で書くと

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    amashio 2013/12/30
  • 間違えることが無意味になる仕組み - レジデント初期研修用資料

    住んでるのが田舎だから、毎朝の出勤は自家用車で、田んぼの中を縫いながら、 信号のない交差点をいくつも通る。 あぜ道だけに、道はまっすぐ。田舎の常で、あらゆる道には素敵な舗装が施されてて、 見通しのいい直線道路は、その気になれば高速道路と変わらない。朝の忙しい時間帯、 みんな床までアクセルを踏む。 交差点を右に曲がる場所が何カ所かある。みんな飛ばしてる。いつも命がけになる。 車は切れない。だから自分が曲がろうと思ったら、相手のウィンカーを見るしかない。 曲がりたい側の車が、自分の方向にウィンカーを出す。そのときその車は減速して、 後続の車を遮ってくれるから、そのタイミングで交差点に進入できれば、自分も曲がれる。 相手がもしも「嘘をついた」ら、間違いなく事故になる。 田んぼ道のローカルルール 自分たちがいる車線は細くて、曲がりたい側の道は、太くてまっすぐ。同じ車同士だけれど、 何となく「立場」

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    amashio 2013/12/30
  • 貨幣がもたらす秩序 - レジデント初期研修用資料

    中国の被災地で、援助物資の横流しを行っている人がいるとか、 市民による略奪が起きたり、被災地は暴動寸前だなんて報道を見た。 「貨幣」というものは、あるいは秩序をもたらすのかもしれないなんて、ちょっと考えた。 災害現場に銀行を作る 今のやりかたは、軍隊だとか政府機関が、援助物資と一緒に現場に入って、 被害にあった人達を集めて、物資を均等に配る。政府側の人にだって限りがあるし、 被害にあった人達だって、ほしいものとか足りないものとか、みんな違うだろうから、 時間はかかるし、「配る側の公平」と、「もらう側の公平」とは、絶対に一致しない。 物資は全て「もらう」ものだから、お互い買えないし、市場がないから交換も難しい。 10人ぐらいで集まって、「うちはミルク要らないから、代わりに毛布下さい」だとか、 お互い持っているものの価値が分からないと、たぶんやりにくい。 「市場」と「銀行」は、あるいは混乱した

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    amashio 2013/12/30
  • 分配と経営 - レジデント初期研修用資料

    何とかしないといけない状況があって、そのときに何も考えないのは最悪で、 一人のリーダーが状況を仕切るやりかたは、「頭一つ」分だけまし。 一番いいのは「みんなで考える」やりかただけれど、それをやるのは案外大変。 アイデアというのはサボると出なくて、絞り出す、引きずり出すようなやりかたしないと出てこない。 状況を乗り切るために「みんなで考える」やりかたは、だからあんまり快適じゃなくて、 むしろ思考を引きずり出される側の人にとっては、しばしば不快ですらあるんだけれど、 「状況を乗り切る」目的達成するためには、援用できる思考リソースは、 きっと多ければ多いほど、いい結果に結びつく。 助けを必要とする人がたくさんいて、提供できる手の数は限られる。 有効な助けを出すためにはリソースの集中が必要で、不十分な助けというのは、 慰めにはなっても、結果につながらない。 こんな時に「みんな平等」をやると、みんな

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    amashio 2013/12/30
  • 狭帯域メディアのこと - レジデント初期研修用資料

    物事に対する理解が深まったのなら、来はたぶん、考えかたを伝達するのに必要な 帯域幅が狭まっていかないといけない。 理解の深さに比例して、学ばなくてはいけないことが増えていったり、あるいはいつまでも 過去の資産を学び続けないと使えないようなメディアというのは、その分野が「エンジニアリング」と呼べるほどには 成熟していないか、あるいはその分野が「メディア」として選択した何かが、そもそも コミュニケーションを担えるだけの能力を備えていないのだと思う。 メディアとしての処方箋 慣れた医師同士が処方を交換するような状況では、 「紹介状」と「処方箋」との境界が曖昧になってくる。 病院を変わる。その患者さんの病名とか、経過とか、詳しく書いた紹介状が来る。 患者さんはたいてい、前の病院でもらっていた薬とか、処方箋なんかを一緒に持ってくる。 来はもちろん、患者さんを受ける側の医師は紹介状を読んで、その患

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    amashio 2013/12/30
  • 公平の対価 - レジデント初期研修用資料

    倒れてきた建物に挟まれて、身動きがとれなくなってる人にカメラが集まって、動けないその人を、ずっと取材していた。 レポーターの人は携帯電話を差し出して、その人に「今誰かと話したいですか?」なんて尋ねて、電話渡されたその人は、 どこか離れた町で出産を待っている奥さんと、「君と暮らせて幸せだった」とか、そんなことをしゃべってた。 その人はそのまま、カメラマンに助けられるわけでもなく時間は過ぎて、息も絶え絶えになった頃、 人民解放軍の救助隊がその人を助けてた。大腿部の圧迫がひどくて、恐らくは筋の挫滅がひどいんだろうな、 なんて思いながらテレビ見てたら、その人はカメラの前で亡くなった。 バックグラウンドに昔風のメロドラマみたいな音楽が流れて、レポーターの人は芝居がかった仕草で遺体をなでて、 「奥さんの出産もうすぐだと言ってたじゃないですか」とか、しゃべってた。 日の報道もいいかげんひどいと思うけれ

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    amashio 2013/12/30
  • 正しさは市場に決めてもらったほうがいい - レジデント初期研修用資料

    昔研修していた病院は、400床規模の施設に医師100人あまり。 臨床研修を行う病院としては、決して規模の大きな施設では なかったけれど、総合病院を名乗ってた。 今いる病院は、300床に対して医師10人。専門外来は、 大学の先生に来ていただいているけれど、カテ室が必要な患者さんだとか、 放射線治療が必要な患者さんだとか、一部の患者さんを除けば治療できるし、 人工呼吸器が必要な患者さんとか、それなりに重症の患者さんもいるけれど、何とか回ってる。 人数は1 割になったけれど、労働時間はむしろ少なくなった。 研修医の頃とか、大学病院で働いてたときとか、夜の10時に病院から帰れれば、 それは速いぐらいだったけれど、そんな頃を思えば、今はずいぶん速く帰れる。 当直だって、昔は月に10回が当たり前だったけれど、今は片手に余る。 医師の平均経験年次が圧倒的に違うから、もちろん単純比較なんて できないんだけ

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    amashio 2013/12/30
  • 「絶対効かない薬」はよく売れる - レジデント初期研修用資料

    一番いいのは「必ず効く薬」だけれど、「絶対に効果のない薬」にも、たぶんそれなりの使いようがある。 効くのか効かないのかはっきりしない薬であったり、たいてい効くけれど、 時々効かない薬というのは、たとえ高い効果が期待できても、 「大事なお客さん」には怖すぎて、勧められない。 「うまい話」で失われるもの 学生の頃、中古車売買に詳しい人と知りあいになった。友達に、たまたま安い車を探している男がいたから紹介して、 なんだかいい車を安く紹介してもらえたとかで、喜ばれた。 友達友達がそれ聞いて、「自分にも紹介してくれ」なんて頼まれて、また紹介した。 今度紹介された車は、どうも気に入られなかったみたいで、「友達友達」の両親から、 うちの実家に連絡が入った。「おまえの息子は詐欺師か何かか !」なんて母親が怒鳴られて、 自分も同様に、母からえらく怒られた。 友達と、友達友達と。「うまい話」を紹介して、

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    amashio 2013/12/30
  • 赤い本が来た - レジデント初期研修用資料

    サンフォードの感染症ガイドブック2008年版。毎年出版される感染症治療のガイドブックで、 版が変わるたびに表紙の色が変わる。今年は「赤表紙に黄色い文字」という狂った仕様。 17ページ:旅行者下痢症に対して推薦される治療薬が、ラテンアメリカアフリカ、アジア諸国とで分けられた:ラテンアメリカではフルオロキノロン、 アジアではアジスロマイシン 18ページ:ホイップル病の治療薬としてクロロキンが取り上げられた 25ページ:右心系の感染性心内膜炎治療薬として、「ダプトマイシンはバンコマイシンとゲンタシンの併用と同じぐらい効く」という記載が追加された 35ページ:入院が必要な肺炎患者に対して最初に開始する抗生剤として、エルタペネムとアジスロマイシンの併用が記載された 36ページ:ICU入室が必要な肺炎患者に対する治療に「喀痰、血液、胸水の培養と、尿中抗原検査をするように」という記載が入った 38ペー

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    amashio 2013/12/30
  • 「要するに」が社会を滅ぼす - レジデント初期研修用資料

    「国家の運営」みたいな複雑なものを、指導者の人が間違った単純化に走って しまうと、虐殺が起きたり、あるいは単純化の犠牲なる人が増えるんだと思った。 伝記を読んだ 「ぽる・ぽと―ある悪夢の歴史」という、カンボジアの独裁者を扱った 伝記を読んだ。ポルポトは、虐殺者などではなく、ただ単純に、 「人を生かすことに対して無能な人物」に過ぎなかったのだ、という 立ち位置の伝記。 内乱に勝って、カンボジアを支配したクメールルージュは、平等で、 不正のない社会を作り出そうと努力して、努力の結果として、多くの人が亡くなった。 革命政府と対立していた、「革命に目覚めていない」人達は、首都から 田舎へと追放されて、「革命家としての教育」を受けることになった。 飢えと労働。カンボジアに革命を起こした人達と同じ、あるいはそれ以上の 苦労を味わうことで、革命の精神に目覚めてもらうみたいな。 革命に目覚めた人が耕す畑か

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    amashio 2013/12/30
  • 安全の市場化 - レジデント初期研修用資料

    航空業界で、長年「安全指導」にたずさわってきた人達が、最近になって医療安全の業界に 参入してきてる。講演会とか、あるいは大学病院にポストを獲得した人もいる。 航空業界は、長い間「安全」学をリードしてきて、ヒューマンエラーを回避するやりかたとか、 緊張する現場で働く人に、一定期間の休息を義務づけるやりかたとか、昔はいろいろ 勉強したけれど、無理だった。 うちの業界は、安全というものに価格が無くて、頑張ってもお金につながらないから。 良心のお値段 航空業界が長年作り上げてきた、人間を安全に運用するための方法論、 良心的な、理性的なやりかたを担保してきたのは、たぶんある種の寡占状態だったのだと思う。 「良心」にはお金がかかる。飢えてる人に「パン」と「良心」の選択迫ったら、 やっぱり凡人はパンを取る。10年前の航空業界は、たぶん今程価格競争が厳しくなくて、 航空券なんて目の玉飛び出る程に高価なのが

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    amashio 2013/12/30
  • 腐った立ち位置のこと - レジデント初期研修用資料

    「かっこわるさ」というラベルにはすごい力があって、一度「それはかっこわるい」というラベルを貼られた考えかたは、 たとえそれが正解であっても忌避されてしまう。 「正しい」のに「かっこわるい」、そんな何かをみんなが避けると、それはもしかしたら、破壊的な結果を招くことになる。 昔の「左翼」はかっこよかった 今60歳ぐらいの人達が大学生だった頃は、左翼の考えかたは進歩的な立ち位置で、 左翼思想とか、あるいは集団組んでデモ行進することであるとか、それは「かっこいい」ことだった。 市民団体とか住民参加、今は否定的な意味でしか使わない「プロ市民」なんて言葉も、 最初はたしか、肯定的な意味。どこかの市長さんだったか、「これからの市民は、 積極的に住民参加するプロであってほしい」だとか、そんな流れで使われた言葉。 「左翼」や「市民」はかっこよくて、だからずいぶん広まったけれど、いつの間にかそれらは腐って、

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    amashio 2013/12/30
  • ステレオタイプの疲弊 - レジデント初期研修用資料

    深夜の救急外来、よく分からない訴えの患者さんを載せた救急車を出迎えたら、 旅行鞄に大荷物抱えた患者さんのご家族が降りてきたことがある。「どうしましたか?」なんて、 いつもの問診取り始めたら、「どうもこうもない、今すぐ入院させろ!」だなんて、 お父さんから怒鳴られた。ゴールデンウィーク直前、まだ研修医だった頃。 何とかなだめて話を聞いて、要するに年寄りを旅行期間だけ引き取ってほしいだなんて、いつもの話。 ゴールデンウィークに旅行の計画を立てたけれど、 家にいる年寄り一人、引き受け手がいないままに時間だけが過ぎて、 飛行機の予約ぎりぎりのタイミングが「今」なのだと。 もう時間がないだとか、自分たちは悪くないんだとか、親戚は誰も引き受けないとか。 どこも悪くない、普通に歩ける高齢者挟んで、怒る父さんと研修医、明け方まで押し問答した。 あの頃はまだ、こんなケースは珍しかったけれど、今年のゴールデン

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    amashio 2013/12/30
  • ざわめくインターフェース - レジデント初期研修用資料

    たぶん「バックグラウンドノイズ」には、役に立つ情報が多く含まれていて、 我々は、普段は意識しないままに、そこから情報を抽出して利用している。 立ち位置が異なる人同士の力関係とか、世間全体から見た自分の位置みたいな 情報は、たぶんそんな「ノイズ」を通じて取得されている。 ネット世間には、良くも悪くもそんな「雑音」が存在しない。必要な情報に すぐアクセスできて、目に見える情報以外の雑音が存在しないネット世界は、 実世界に比べて「きれい」という認識は間違いで、やはり「情報が少ない」と いう認識を持たないといけない。 ネット世間に「次」を求めるとするならば、そんなノイズ情報、「ざわめき」の実装なのだと思う。 周辺情報が欲しい 当直中の時間つぶしはニコニコ動画ばっかり。いつ呼ばれるか分からないし、 年取ってから、真夜中とか集中力続かなくて、眺めるだけで楽しめるメディアは当に便利。 ニコ動の検索はそ

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    amashio 2013/12/30
  • 暫定税率のニュースを見た - レジデント初期研修用資料

    ガソリンの暫定税率がまた復活することになって、「安価なガソリンは今日まで」なんて、昨夜のニュース。 いろんな立場の政治家が,インタビューに答えたり、記者会見を開いたりしてた。 気がついたことのメモ。 「笑顔」は難しい そもそも暫定税率の問題自体が、国会議員から見たらたいした問題じゃないのかもしれないけれど、 報道されてた議員の人達は、なんだか「見られる私」を意識して振る舞う人が少なかった印象を持った。 暫定税率復活の審議をするときには、民主党の若手が、会議室を取り囲んで 採決を阻んでた。自民党の河野議長は、その間隙を突くようにして議場に入って、 採決を成功させた。民主党の菅直人議員は、「国民不在の投票だ」とか、外で叫んでた。 2 人とも笑ってた。 河野議長はずっと笑ってた。河野議長はたしかに民主党の裏をかいたし、 民主党がねじ曲げた議事運営を「正常化」できたわけだから、笑いたい場面ではあっ

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    amashio 2013/12/30
  • 後期高齢者医療制度がよく分からない - レジデント初期研修用資料

    外来で使えるお金が、月に6000円までに制限されること。 患者さんを何もしないで看取った場合、国から2000円の「ご褒美」がもらえること。 入院した患者さんの扱いは、よく分からない。 後期高齢者医療制度が始まって1ヶ月が経ったけれど、現場の理解だって、まだこの程度。 これから起きる問題を見極めようにも、それ以前の混乱が大きすぎて、まだ外来には何も伝わらない。 現状 「75歳になった人は見殺しに」なんてメッセージが力強く伝わるこの制度は、 だから全然普及していない。 今はまだ移行期間だからなのか、患者さんは旧制度と新制度、どちらか一方を選択できて、 地元医師会も「もう少し様子を見ましょう」なんて、外来主治医制度に名乗りを上げていない。 ソフトウェアのアップグレードに似ている。「人柱」になる人達がまず試して、 その制度が「いい」ものなのかそうでないものなのか、見極めがつくまでは、 普通の人は怖

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    amashio 2013/12/30
  • リソース分配のこと - レジデント初期研修用資料

    子供の外傷とか、あるいは溺水とか。連休は「不慮の事故」で運ばれる子供が増える。 今年は休日当直。今から怖がってる。 うちの地域はまだ、かろうじて救急輪番制が機能しているけれど、 崩壊する一歩手前。救急当番を回せてるのは実質3 病院だけだし、 地域でそれなりの数を受けているうちだって「救急指定」だけれど、 全科一人当直。小児科の専門医は、もちろん待機していない。 手に負えないお子さんが来たときは、だから小児科の常勤が待機している病院に 運ぶんだけれど、今県内全域で機能している小児科は、せいぜい3施設ぐらい。 救急を夜間に受けてくれる施設はもっと少ない。ベッドはどこもいっぱい。 この連休も、どうなるか分からない。 死亡率のこと 日ではなんだか、ゼロ歳から1 歳までの死亡率は世界一低いのに、 1 歳から4 歳までの死亡率がとたんに悪くなって、世界でも下位のグループに 転落するなんて、ニュースで

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    amashio 2013/12/30
  • ムラの条件 - レジデント初期研修用資料

    やっぱり村社会が好き。「批判は読者の権利です」とか、心にもないこと宣言しながら、 空気の力で、自分の手を汚さないで、叩きに来た人達潰せたら、きっといい気分。 今自分がいる場所は、外からは「村」なんて呼ばれてるけれど、 実際の「ムラ」度は案外低い。「ムラ」目指すには、まだまだ足りない。 一部の意見が全体を左右する 何か書いて発信して、叩きコメントたくさんもらうと、やっぱり疲れる。 最近のページビューは、1日あたり6万人ぐらい。全てのアクセスがblog を見に来るわけではないんだろうけれど、 実際にコメントを残したり、ブックマーク欄に何かメッセージを残す人は、多いときでもせいぜい50人。 批判される文章書いたときなんかは、そのうち半分ぐらいが「叩き」コメント。 読むと疲れる。次に書く文章なんか、間違いなく影響受ける。 「メッセージ」が「全体」に占める割合は、せいぜい多くて1 %。 「叩き」メッ

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    amashio 2013/12/30
  • ミームのこと - レジデント初期研修用資料

    ウィルスみたいに「広まる」文章は、「権威付けがなされていること」、 「具体的であること」、「読者を鼓舞すること」といった、共通する性質を持っている。 内容が不正確であったり、勧めていることが違法であったりしても、 たぶんこんな条件を備えた文章は「ミーム」となって広まって、 いつかどこかで実行されてしまう。 デキサメタゾン大量療法 研修医の頃、脊髄外傷に対するデキサメタゾン大量療法のやりかたが論文になって、 救急部の部長がやりかたを貼りだした。 脊髄外傷患者に対するデキサメタゾン大量療法 脊髄外傷患者を診たら、「デカドロンを○アンプル静注、その後24時間かけて、生100ml にデカドロン○アンプルを 溶解したものを持続静注 張り紙に書いてあったのは、部長の名前と、元の論文名と、具体的なやりかた。 体重あたりの計算は省略されていて、 読んだらすぐに実行できるように記述されていて、最後に一

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    amashio 2013/12/30
  • 地域医療の地政学 - レジデント初期研修用資料

    地元の新聞に、地域医療の救急枠を、県境を越えて融通しあうようなお話が掲載されていた。 生命は最も大切なものだから、県とか市とか、自治体の境界を超えて、 患者さんの収容を最優先するのだと。 勘弁してくれと思った。 うちの施設を取り巻く状況 小さな規模の病院だけれど、救急車はけっこう来る。夜間でも、下手すると一晩に6台とか8台、 救急車がやってきて、もちろん外来も夜通し来る。当直は全科で一人。体勢は時代遅れだけれど、 そもそも自分が最年少とか、勤務している医師も十分に時代遅れだから、 それでも何とか回る。外科医も内科系疾患を診てくれるし、内科の自分が子供縫ったりする。 田舎だから何とか回る、「曖昧さ」がいい方向で共有されている病院。 救急車で1時間ぐらいかかる隣の都市では、救急体制が崩壊している。 そこは人口も多くて、病院もたくさんあるし、公立のセンターもあるのだけれど、センターは専門施設だか

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    amashio 2013/12/30
  • 正義の敵は正義 - レジデント初期研修用資料

    ここ2 日間のプチ炎上について。 背景など 動悸はごく素朴。 憲法に関わる高等裁判所の判決が出て、「自衛隊やっぱ間違い」なんて、 けっこう踏み込んだ判決が出た。はてなブックマークでそれ読んでたら、 元検事の方が言及してて、判決出した裁判官は定年間近で、 今回の判決文読んだのは、人じゃなくて後任の人だったなんてことを知った。 ごく単純に「ずるい」と思った。踏み込んだ判断出して、自分は判決出し逃げして 玉置に逃げ込んで。来年になったらリベラル派のコメンテーターとして、 古舘伊知郎あたりとよろしくやってる姿とか想像して、なんだか腹立った。 最初はtwitter。 「ずるいと思う」とか、「対案示せ」とか、ぐだぐだと書き流した。 いろいろ指摘をいただけた。 立法権・行政権の侵害はできないこと。司法が民主的統制を受ける範囲のこと。 訴訟法上、政策を争うことはできないこと。何よりも、裁判官だって人間で

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    amashio 2013/12/30
  • 司法も対案示してほしい - レジデント初期研修用資料

    空自イラク派遣は憲法9条に違反しているという判決が出た。 名古屋高等裁判所。 たしかに正論なのだろうし、この判決は、一応政府側の「勝ち」ということになってるみたいだけれど、 テレビではなんだか、市民団体の人たちが「我々の勝利だ」なんて、雄叫び上げてた。 軽い言葉のこと 曲がりなりにも選挙で選ばれた人たちが、何年もかけて議論して、海外に軍隊派遣して。 政府の人たちも、もちろん現場守ってる自衛隊の人たちも、派遣に賛成する人、反対する人、 みんな様々な立ち位置もって、いろんな場所で議論とか、政治運動を重ねてきたのだろうけれど、 そんな積み重ねの決着は、あっさり一言。「あれ全部間違い」なんて。 「正しさ」重ねて下した結論は、なんだか正しいのは間違いないんだけれど、すごく軽い気分。 自衛隊派遣に反対の声上げてた人たちだって、なんだか馬鹿にされたような気分に ならないんだろうか? なんだか司法の人た

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    amashio 2013/12/30
  • 「能力ある人の不作為」という罪悪 - レジデント初期研修用資料

    動物愛護団体の人たちが「すばらしい人」なんて引用するのは、 圧倒的にマザーテレサが多いらしい。ほかの偉人とか、ましてや 経営者の言葉なんて出てこないらしい。 マザーテレサは、もちろんすごい人であることには間違いないのだろうけれど、 あの人は同時に、「もっとすごいことが出来たのにやらなかった」人なんだと思う。 マザーテレサのこと マザーテレサは、世の中どうにでも出来るぐらいのすごい力を持っていたのに、 目の前の難民を救うことに全精力をつぎ込んで、「もっとすごいこと」には興味を示さなかった。 悪い言いかたすれば、マザーテレサは能力を持ちながら、怠惰だった。 社会的な立場も、ネームバリューも、あるいは「集金能力」みたいなものも、 マザーはあれだけの能力を持ちながら、自分が「きれい」でいたいがために、 もっと泥臭い、経営の世界に踏み込まないで、難民キャンプの現場にとどまって、 「気を出せば」救え

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    amashio 2013/12/30
  • 「初心者」親和的なインターフェース - レジデント初期研修用資料

    WordPress のこと Wordpress は、サイト名とページ名を『≫』で区切る。 エントリー書いて、「はてなブックマーク」みたいなサービスに記事が載っかると、 この区切り記号が文字化けして、なんだか見づらくなる。 ブクマするたびに自分で書き直したり、ブクマしてくださった方が直してくれたりするんだけれど、 すごく面倒くさい。何とかしたかったんだけれど、そもそもそれをどうやって調べればいいのか、 まずそれが分からない。 「はてなブックマークでなんだか題名が文字化けする」なんて、 検索エンジンでそのまんま検索しても、引っかからない。 結局どうすればいいのか分からなくて、Twitter 上でそのまんま質問したら、 「ヘッダを編集すればいいですよ」なんて、何人かの方から教えていただいた。 元々が他人様のテンプレートを使っているページだから、その教えはそのまんま使えたわけでは なかったけれど、

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    amashio 2013/12/30
  • レジデント初期研修用資料 > Blog Archive > パッチワークとしての言葉

    コメディアンの「爆笑問題が」、テレビでプロファイリングの専門家を取材していた。 片割れのほうは相変わらずうるさかった。神戸連続児童殺傷事件のことが話題になってて、「俺は最初から、犯人が子供だと分かってました」とかしゃべってた。 あの脅迫文はたしかに整っていたけれど、あれはあくまでも「パッチワーク」であって、 つぎはぎ切り貼って大人文章目指すのは、要するに子供のやりかたなんだと。 この人はたぶん、自分の言葉で文章書いてるんだろうなと思った。 最初はパッチワーク もうずいぶん昔、ブログとか書き始めて半年あまりは、自分はずっとパッチワークだった。 いろんなサイトをかけずり回って、面白そうな文章探してきては切り貼って、 「継ぎ目」を一生懸命整えて、一見自分で書いたような文章を仕上げて載せる。 まだまだぎこちなかった「自分の言葉」は、なんだか上手な人たちの言葉に比べるといかにも 陳腐で、子供っぽくて

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    amashio 2013/12/30
  • 曖昧さを呑み込んでくれる人 - レジデント初期研修用資料

    休日外来。月に数回、昼間から酔って手のつけられない人が、警察同伴でやってくる。 大声出して大暴れして、たいてい手にケガしてて、外来血まみれ。B型肝炎とか持ってるから、 診るほうは大変。 「医者なんかいらねぇ」とか、よく怒鳴る。暴れてるんだけれど血が止まらないから、 何とかなだめて縫う。縫ってる間も暴れて叫んで、顔に唾吐かれたりする。 縫い終わるとたいてい落ち着く。疲れて気分よくなるのか、今度は「今日はここで寝る」とか、 入院させろとか、またごねる。断ると暴れる。 境界をまたぐ警察官のこと うちの地域を巡回している警察官の人たちは、こんな時すごく親切。 何人かがかりで酔った人連れてきて、縫うとき押えるの手伝ってくれて、 縫うの終わったら患者さんなだめて、自宅まで連れ帰ってくれる。 患者さん酔ってるから、怒鳴るし怒る。「警察官のくせにさわるな」だとか、 「善良な一般市民を権力が拉致するのか」だ

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    amashio 2013/12/30
  • レジデント初期研修用資料 » Blog Archive » みんなで育てる化学テロ

    医局でたまたま硫化水素中毒のことが話題になって、「テロに使われたら怖いよね」なんて話してた。 よくよく考えたら、テロに使われる可能性は十分あって、実際問題、防ぎようもないのかなと考えた。 硫化水素のこと 硫化水素は、ホームセンターなんかで普通に手に入る薬が2種類あれば 簡単に合成できて、致死率も高い。去年ぐらいから、 それを使って自殺する人が報道されて、今年に入って件数が増えてる。 今のところはまだ、薬剤に対する規制は始まっていない。 これから先、たぶんまだまだ同じことする人が増えるはず。 今はまだ、あくまでも自殺の手段としか広まっていないけれど、 人が亡くなるぐらいに強力なガスを手軽に発生する手段は、 もちろん無差別に人を傷つける目的にだって転用できる。 硫化水素は空気より重くて、温泉街とか火山地帯では、 窪地にたまった硫化水素で中毒する事故なんかが起きてる。 誰か悪意を持った人が、東京

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    amashio 2013/12/30
  • 地雷原の歩きかた - レジデント初期研修用資料

    救急外来とか病棟での振る舞いかたについて。 健全な相互不信を育む お互いが寄っかからないで、常に頭を使い続ける状況が、一番自由だなと思う。 使わなくなった筋肉は、その瞬間から萎縮が始まる。相手を無批判に信頼すれば、 必ず何かが、来人として持っていないといけない大切な何かが、 使われなくなって萎縮する。 相手を信じること、あるいは甘言弄して信じさせることはあっけないぐらいに簡単だけれど、 信頼は飽きられる。よくなった要素というのは、「よく」した側が意図しているほどには伝わらなくて、 それが再び悪くなって、初めて「よかった昔」が実感される。 「よくない」状況に陥ったときの驚きは、そうなる直前まで、相手に抱いていた信頼に 比例する。相手を無批判に、無邪気に信頼するひとは、状況が悪くなるなんて 夢にも思わないから、悪くなったときの驚きは大きい。 驚きが生み出すエネルギーは誰にも制御できないから、

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    amashio 2013/12/30
  • レジデント初期研修用資料 ≫ Blog Archive ≫ 先入観は大切

    漠然と「いい人」みたいな印象を持つ患者さんが、「いい人なら来るはずのない時間」に、 ありえないほど軽い訴えを持ってきたときは、すごく気をつけないといけない。 患者さんに対して先入観を持って接することは、もちろん教科書で勧められているやりかたとは 異なるんだけれど、先入観というのは、潜在意識のささやき。意識に上がってこないレベルで、 自ら積み重ねた経験知が何か伝えようとしているならば、それを使わないともったいない。 「誠実な」患者さんとそうでない人。 漠然とした印象それ自体は、思考を正しい診断から遠ざけるためのバイアスしか生まないけれど、 医師が置かれた状況と、その人に抱いた印象とを結びつける「文脈」を 考えるなら、漠然とした印象は結構大切な手がかり。 問題を系の外側から解く視点を提供してくれることがある。 状況文脈というもの この患者さんは、「この状況に来てもいい人」なのだろうか? 「一週

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    amashio 2013/12/30
  • レジデント初期研修用資料 » Blog Archive » 目線が見た景色

    通勤途中の交差点で、車同士の事故があった。事故を起こした車は、 自分と同じ方向を走ってて、反対側からも、何台も対向車が走ってた。 向こう側から車来てるのに、その車はいきなり右折して、 対向車とぶつかってた。ちょうど交通安全週間だったからなのか、 交差点には蛍光色のジャンパー羽織った警察の人がいて、何か対策してた。 もちろん事故を起こした当人にしか当のことは分からないんだけれど、 警察官が立ってなかったら、あるいは事故なんて起きなかった。 警察官という存在はあまりにも大きくて、ドライバーの目線が認識する風景を、 実際あるべき風景から大きくゆがめてしまう。 人の振る舞いが、認識される風景に与える影響は、当はすごく大きくて、 その影響力に無自覚な人が無自覚に振る舞うと、もしかしたら危険な状況を 作り出してしまう。 吸引される目線のこと 建築物や道路が作り出す「当の風景」と、目線が認識する風

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    amashio 2013/12/30
  • レジデント初期研修用資料 » Blog Archive » インターネットがなかった頃

    国家試験対策委員会のこと 合い言葉は「秘密情報をみんなで共有すれば秘密じゃなくなる」 試験前に出回る怪しい情報は、受験生を振り回す。最初から気にしなければいいんだろうけれど、 誰かが持ってればやっぱり気になる。ならばいっそ、すべての情報を集めて配って、 みんなで共有してしまえば、秘密は秘密でなくなって、みんな自分の勉強に集中できる。 国家試験対策委員会の歴史は古い。昭和50年代頃には、すでに 東大経由とか噂される怪しげな情報プリントが出回っていたなんて話が 残ってるし、昭和60年代に入った頃には、すでに関東の大学代表者が 実際に集まって、自分たちの大学で作った卒業試験対策のプリントを 交換しあっていたらしい。 インターネットが普及するはるか前から、医学生はこうした情報の共有を目指してた。 怪しげな情報は当たったためしがなくて、動機は全く不純なものだったけれど、 「つながりたい」というみんな

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    amashio 2013/12/30
  • 技術の未来互換性 - レジデント初期研修用資料

    今年発表されたマルチスライスCT は、一度に320枚の画像が切れるらしい。 1 回転 0.3秒。0.5mm スライスで320枚。 一度に得られる情報量をここまで多くできると、冠動脈をほとんど末梢に近いところまで、 かなり正確に撮影することができる。まだパンフレットの画像しか見たことがないけれど、 そろそろ当に「心カテの要らない」世界が見えてきた気がする。 10年前の夢 心臓は常に動いていて、冠動脈は太いところでも3mmぐらいしかない細い血管。 だからCT スキャンみたいなやりかたで冠動脈を撮影するのは難しくて、 当時の技術では夢のまた夢。CT が回転する間にも心臓はどんどん動いて、 「手ぶれ」を起こしたような、不鮮明な画像。 狭心症みたいな病変の診断は、「コンマミリ」を拡大して論じる世界だから、 解像度も全然足りなかった。 要求される技術水準が高すぎて、自分たちカテ屋は、放射線科医の夢を

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    amashio 2013/12/30
  • キーボード配列覚え書き - レジデント初期研修用資料

    パソコン変えた。今度のThinkpad も、以前と同じA4サイズのモデルだから、キーボード配列は 以前とほとんど変わらないはずなんだけれど、すごい違和感。 それはWindows キーが増えたとか、ボタン配列がミリ単位で変わってるとか、 当に些細なことなんだろうけれど、キーボードの打ち間違えが多発して、 バックスペース打つ右手の小指がおかしくなりそう。 キーボード配列を変更したときのメモ。「窓使いの憂」を使用。 窓使いの憂は、一見設定が難しいけれど、たくさんの人が設定ファイルを公開してるので、 ノウハウをもらうのがすごく楽。GUI でない、振る舞いをすべて記述しないといけないソフトというのは、 詳しい人しか使えないようでいて、「ネットで検索がかけられる」というメリットを生かすと、ド素人が触ってもどうにかなる。 配列のノウハウについては、以下のサイトを参考にさせていただいた。 おさかなラ

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    amashio 2013/12/30
  • 治癒イメージの描きかた - レジデント初期研修用資料

    研修医の頃、重篤な脳梗塞の患者さんを受け持った。上司に「どうしますか?」なんて治療の方針を尋ねたら、 「立派な寝たきり老人にして返す」という返答をいただいた。 あれからいろんな上司に「どうしますか?」を訪ねたけれど、科によって、その人の性格によって、 返ってくる答えは様々。すごい返答。熱い返答。誠意のない返答。答えはいろいろだったけれど、 「どう」の中に入るのは、みんな行為のイメージ。患者さんの治癒という、 結果をイメージしながら戦略を考える人は、やっぱり少ない印象。 みんな精霊さんを信じてる みんなたぶん、どこかできっと、「精霊」の存在を信じてる。主治医の努力をどこかで見ていて、 超常の力を発揮して、受け持ち患者さんに治癒をもたらす精霊。 外科医はみんな、悪そうなところを全部とったら、あとは精霊さんが何とかしてくれると信じてるし、 麻酔科の人達は、血圧とか脈拍とか、外から見える数字を一定

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    amashio 2013/12/30
  • 動作に最適なデザインのこと - レジデント初期研修用資料

    オリンパスの新しい内視鏡セットが届いた。ディスプレイがすべて液晶画面になって、 内視鏡の光源とか、制御システムなんかも小型に、使いやすくなった製品。 今度のバージョンは、ディスプレイも、入力用のキーボードも、すべて3関節あるアームを介して、 空中に浮かんでいる構造。術者の姿勢にあわせて、あるいは共同作業する助手のポジションにあわせて、 ディスプレイやキーボードの位置は、3次元的に自由に変えられる。 理不尽な「片持ち」デザイン 使いやすくて便利になったその代わり、新しい内視鏡セットは、構造的に相当無理をしている印象。 古い世代の見た目は「タンス」。棚みたいに箱を組んだ上にディスプレイが乗っていて、キーボードや 内視鏡を懸けておくための台なんかは、すべて「箱」に接続されていた。壁が箱を作って、 機械の重量は、壁全体で支える構造。 構造は頑丈で理にかなっていて、たしかに自由度は少なかったけれど

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    amashio 2013/12/30
  • 単純を達成するための複雑な道具 - レジデント初期研修用資料

    やりたかったことは当にシンプル。文章書いて発信して、 読んでもらったり、時々ほめてもらったり。できることなら研修医向けの教科書作って発表して、 Web 世界でみんなの「秘伝」を共有できたらいいな、なんて。 こんなページを始めたばかりの頃は、まだ自分のやりたいことを上手に 言語化できなかったけれど、目標にしていることはたぶん、今も昔もそんなに変わっていない。 ネットの知識もずいぶん増えて、文章を書くやりかたも少しだけ上達して、 文章発信とか、コミュニケーションとか、やりたいことはずいぶんシンプルに、 輪郭がはっきりしたものになってきた。 目標は単純になった。にもかかわらず、その「単純」を実装するために 必要な道具は、なぜだかどんどん複雑になる。 なんか間違ってる。 LaTeX の頃 研修医の頃はワードプロセッサ。「医師のパソコン」といえばマッキントッシュだった10年前、 まだパソコンは、気

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    amashio 2013/12/30
  • 今度はWordPress - レジデント初期研修用資料

    セキュリティのお話がうるさくなったこともありMovableType をバージョンアップしたところ、 なんだかもうどうしようもなく重くなっていて、実質更新が不可能になってしまいました。 新しいMovableType は、blog という枠を超えて、ページ管理システムの 新たなありかたを世に問うような、なんだか崇高な思想に裏打ちされた実装がされているのか、 旧バージョンのノウハウはほとんど引き継がれず、過去と決別している印象。 バージョンアップ当初、そんなところも意気に感じて、何とかこの難解で重たいスクリプトを ものにしようと、当直深夜の睡眠時間を削ってみましたが、あえなく挫折。 今まで作り上げてきたURL を失うのは残念なのですが、もっと軽くて簡単そうなWord Press に 乗り換えることにしました。 今後ともよろしくお願いします。

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    amashio 2013/12/30
  • 量産型はダテじゃない - レジデント初期研修用資料

    昔から救急外来という場所が好き。怖いし疲れるし、 最近は、いろんな人から文句言われたり訴えられたり、 ろくなことが起きない場所なんだけれど、それでもやっぱり救急が好き。 リスク回避の手段を前から考えてる。リスク管理の問題さえ解決できれば、 この場所にはまだまだ、昔みたいな賑わいが戻ってくるだけの楽しさがあるはずだから。 最初の頃は、技術の向上それ自体がゴールだと思っていた。 自分なんかよりもはるかに高い技術を持った人達が、次々と刺されて現場を去っていくのを見て、 大事なのは技術じゃなくて、むしろ交渉能力なんだと思った。 交渉のやりかたとか、人質交渉人のマニュアルとか、ちょっと外れて新興宗教の洗脳手法とか、 とにかく「交渉」に関係することをあれこれ調べた。 それは多少の役に立ったけれど、当に怖い人達は、交渉というルールの枠外にいた。 「刺す」行為はそもそも引き合わない。何かの目的があって交

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    amashio 2013/12/30
  • 恋愛シューティング実装案 - レジデント初期研修用資料

    Recent Entries 責任者はいなかった 災厄に関するメモ 無様にやるのは難しい 喧嘩する上司の見守りかた 危機コミュニケーション覚え書き 相手から見える風景を想像する T510 覚え書き  専門語のこと 説得は半径1mから 電話帳の断絶 Recent Comments このは何でないのか 12/31 medtoolz 12/30 薬屋支店総務 12/30 愛読者 12/30 エリヤフ先生 12/29 medtoolz 12/29 元傍観者 12/29 medtoolz 12/29 エリヤフ先生 12/29 medtoolz 案外やっていけるお店のこと 12/30 kaka Recent Trackbacks 危機コミュニケーション覚え書き 04/03 TokyoianBlog 理不尽にやると上手くいく 03/04 404 Blog Not Found 02/27 理不尽にやると

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    amashio 2013/12/30
  • 夢は描いた瞬間から陳腐化する - レジデント初期研修用資料

    ニュース番組で、岐阜大学の救急医療情報共有支援システム「GEMSIS」が特集されていた。 「サンダーバード」に発想を得たプロジェクトで、数年がかりで取り組んでいて、 これが完成した暁には、救急医療の問題解決に役立つらしい。 開発するのに数千万円かかってて、完成にこぎつけるまであと5000万円、 数年後の普及を目指してて、各病院に設備を入れるのに、30億円かかるんだという。 報道されてたのと同じことやればいいなら、今すぐにでも無料でできるなと思った。 報道されてた機能 GEMSIS のネット情報は少なくて、全容はどうなっているのか分からない。 単なる情報共有のシステムなのか、それとも救急医のモチベーションを維持するための、 政治タームのお話まで含んでるのか。 GEMSIS の機能はこんなかんじ。報道されてたぶんと、ネットで検索した部分。 その日に救急業務が可能な医師は、IC カードを通じて、

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    amashio 2013/12/30
  • ThikPad覚え書き - レジデント初期研修用資料

    Thinkpad A30 という、7年来使ってきたノートパソコンを買い換えた。 T61 という新型。 初期設定のメモ書き。 Windows XP の設定 Windows XP は、買ったままで使うとなんだか軽快感に乏しいので、余計な機能を止めた。 WindowsXPの設定方法を公開しているサイトを参考にして、 余計な機能をOFF にしたり、「マイドキュメント」のフォルダを、ディレクトリ直下に移動したり。 代表的な設定ツール窓の手、 もう少し細かい設定を行ってくれるtuneapp をダウンロードして、それぞれなんとなく軽くなるように設定した。 クリックひとつでできる設定ばかりで、レジストリを編集するとか、 怖いことは一切やっていないけれど、ずいぶん軽快に動くようになる。 日本語入力の設定 標準で入ってくるのはIME 2002。巷ではATOK 2008の評判がすごくいいみたいだけれど、 昔から

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    amashio 2013/12/30
  • 技術の欺瞞 広告の欺瞞 - レジデント初期研修用資料

    技術や企画、営業や広告、それぞれの職種には、たぶんそれぞれ持つべき 欺瞞のスタイルというものがある。 欺瞞を捨てた、全方向的な「よさ」を追求した先には、魅力的なプロダクトは生まれない。 「いい」製品と、魅力的な製品というものは異なっていて、商品の魅力というのは、 たぶん技術職と営業職の、欺瞞ベクトルの「ずれ」が作り出す。 Thinkpad を買った 新しいThinkPad を買った。自分みたいな素人には「速い」ということしか分からないし、 今使ってるぶんには何の不満も無いけれど、キーボードの印象がずいぶん変わった。 前使ってたA30 というモデルは、IBM 時代の製品。IBM が中国に買収されて、 「ThinkPad はもう終わりだ」とか言われる前、ThinkPad といえば質感の高い高級品という ブランドイメージがまだ残ってた頃。ノートパソコンはまだまだ高級品で、当時30万円近くした。

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    amashio 2013/12/30
  • 内科におけるローブの法則 - レジデント初期研修用資料(旧)

    Name: Mail: (will not be published) Website: Comment: Please comment XHTML: You can use these tags: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> Archives 2009 年 2 月 (5) 2008 年 4 月 (2) 2008 年 3 月 (13) 2008 年 2 月 (16) 2008 年 1 月 (13) 2007 年 12 月 (13) 2007 年 11 月 (13) 2007 年 10 月 (11

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    amashio 2013/12/30
  • "Cooking For Engineer" - モスマン

    数ある職業の中でシェフほど多くを求められるものはないと、何かので読んだ。一流シェフにはヒラメキ、記憶力(知識)、美的センス、経験、体力、会社経営手腕、その全てが要求されるというのが理由だった。 そんな一流の世界を引き合いにださずとも、冷蔵庫の中身を把握し、家族の体調と嗜好を理解し、30分の間に、2つのコンロと1つの電子レンジで朝とお弁当と夕の仕込みを並行する作業がどれだけ大変か?料理をしない人にも想像できると思う。(分からない人は黙ってお母さんや奥さんに感謝しよう。)「趣味料理」で、作り終わった後シンクが洗い物でいっぱいの僕なんかには到底まねの出来ない芸当だ。 レシピ読みにくくない? さてレシピを見ながら料理を作ることが多い僕にとって、今のレシピってのは結構無駄が多いのである。 レイアウトがまちまち。無駄な写真が多かったり、材料表が別のページにあったりする。そしてその書式はによっ

    "Cooking For Engineer" - モスマン
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    amashio 2013/12/30
  • クッキングチャートの文法 - レジデント初期研修用資料(旧)

    “Cooking For Engineer” - BluePillの別宅 で紹介されていた、 料理の手順をチャート表示するやりかたが面白すぎる。 「NSチャート由来だろう」なんてコメントがついていたけれど、たしかによく似ている。 クッキングチャートは、フローチャートみたいな条件分岐を捨てた代わりに、縦軸に料理の材料、 横軸に時間をそれぞれ展開することに成功していて、料理の手順は、 材料と、時間と、それぞれの意味を併せ持った場所に展開することが出来て、 料理の手順を一望できる。 おおもとのサイト には、様々な料理の手順が公開されていて、 この表示方法にも、一種の文法みたいなものが設定されている。 2008-12-01 - BluePillの別宅 には、 このチャートの描きかたが記述されている。この方はエクセルか何かで書いているみたいだけれど、 大のサイトは、HTML のテーブル環境で書いて

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    amashio 2013/12/30
  • 自由診療のこと - レジデント初期研修用資料(旧)

    極めてまれなできごと 相手の気が動転している こんな条件がそろっている場所には、ビジネスチャンスが転がっている。 葬儀の記憶 父親が亡くなった夜、大学出入りの葬儀社の人たちが駆けつけてくれた。 いい人たちだった。父親のことを悼んでくれて、「全部任せてください」なんて。 800万円のコースを指定された。 どう考えたって、うちにそんな金額払えるわけがなかったんだけれど、 大学出入りの業者の人が、「このぐらい」なんて断言したところで、 それを拒否する根拠は、自分たちは持ってなかった。 みんな茫然自失していて、葬式の日はもちろん、目の前に迫っていたから、 「とりあえずちょっと、考えさせてください」なんて答えるのがやっとだった。 一晩考えた。 「やっぱり申しわけないのですが、うちでは800万円なんて払えません」なんて、 情けない思いで頭を下げたら、コースの内容は変えないで、 その場で150万円割引し

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    amashio 2013/12/30
  • 自分の体験で話すと刺さる - レジデント初期研修用資料(旧)

    誰かを説得するときには、「こうするのが正しい」をやってもうまくいかないけれど、 「僕は自分がかわいいからこうしているよ」みたいな言いかたをすると、伝わる印象を持っている。 教育したい人 同業者にも、愛想いい人と、愛想の対極みたいな外来対応をする人がいる。 愛想の対極に走る人も、別に患者さんが憎くてしょうがないとかじゃなくて、やっぱり「いい医者」 になりたいと願ってる。そういう人たちは、患者さんというものを、「教育」すべきものだと思っているから、 みんなその人たちなりのポリシーもって、厳しい外来をやっているみたい。 自分たちだって客商売だし、主治医に怒られるのが大好きな患者さんなんて、たぶん少ない。 愛想はないよりあったほうがよくて、少なくとも研修医のうちは、 「僕は将来厳しい外来をやる医者になるんだ」なんて考えてる奴は、たぶんいない。 研修期間を終えて、病院中から「先生」なんて呼ばれるのが

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    amashio 2013/12/30
  • 「物言わぬ上司」の力 - レジデント初期研修用資料(旧)

    初めて離島に飛ばされた昔。何でもできる気分でいたのに、「普通の肺炎」で 外来に来た患者さんと対峙して、薬を処方できなくなった。 「それができる」ことと、「それを決められる」こととの断絶について。 いつも上司がいた 当時たしか3年目ぐらいだったから、その頃にはもちろん、 肺炎の人なんて100人以上診療していたはずなんだけれど、土にはいつも上司がいた。 研修の後半は、基的には自分で指示を出していたのに、島に一人で放り出されて、手が固まった。 今までは要するに、「上司が黙ってみてる」というのが、強力な承認装置として働いていて、 それがなくなって島に飛ばされて、目の前にいる、一見典型的な肺炎の患者さんが、 当に「典型」と認識してもいいのかどうか、確信できなくなった。 研修医はたぶん、「正しさ」を、「上司に怒られない」ということを通じて理解する。 だからいきなり一人で放り出されたそのときは、た

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    amashio 2013/12/30
  • latex2html の設定 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります LaTeX の設定でドツボに嵌った時のメモ。 TeX は、インストーラーを発表してくださった方がいて、 今回の導入は楽勝…なんて思ってたら、LaTeX2html の導入で 完全につまづいた。 「これ」という原因は、正直よく分からないんだけれど、 「こうしたら動いた」という記録。 反省点 やっぱりTeX は、 /usr/local/ に展開しないとドツボに嵌る。 素人がうかつにディレクトリ変更しようなんて考えると、ろくなことにならない。 TeX インストーラーは、TeX のファイルを C:/tex/ というフォルダに 展開するように設定されている。 市販されているLaTeX の教科書は、どれもUNIX の伝統を引きずってるのか、 ファイルの展開

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    amashio 2013/12/30
  • 技術の欺瞞 広告の欺瞞 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 技術や企画、営業や広告、それぞれの職種には、たぶんそれぞれ持つべき 欺瞞のスタイルというものがある。 欺瞞を捨てた、全方向的な「よさ」を追求した先には、魅力的なプロダクトは生まれない。 「いい」製品と、魅力的な製品というものは異なっていて、商品の魅力というのは、 たぶん技術職と営業職の、欺瞞ベクトルの「ずれ」が作り出す。 Thinkpad を買った 新しいThinkPad を買った。自分みたいな素人には「速い」ということしか分からないし、 今使ってるぶんには何の不満も無いけれど、キーボードの印象がずいぶん変わった。 前使ってたA30 というモデルは、IBM 時代の製品。IBM が中国に買収されて、 「ThinkPad はもう終わりだ」とか言わ

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    amashio 2013/12/30
  • 正しい技術は驚きを生まない - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります ウルルン滞在記だったか、レポーターが未開の地を訪れるテレビ番組で、 ジャングルで昔ながらの狩猟生活をする人たちが取材されてた。 族長の住居には電話線が引かれていて、族長は電子メールで「注文」を受けていた。 おそらく「通信」というのは、かなり昔から人類が共通に持っていた発想であって、 それが文字や狼煙みたいなものであっても、インターネットみたいな ものであっても、それが「通信」という考えかたの延長線上に乗っている限り、 適応するのは案外簡単なのかもしれない。 番組の中では、族長は電子メールを使っていたけれど、 その人がたとえばAmazon の通信販売を利用できたりするのかどうか、 ぜひとも見てみたかった。 電子メールによる情報交換と、ネット世界

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    amashio 2013/12/30
  • Thinkpad 覚え書き - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります Thinkpad A30 という、7年来使ってきたノートパソコンを買い換えた。 T61 という新型。 初期設定のメモ書き。 Windows XP の設定 Windows XP は、買ったままで使うとなんだか軽快感に乏しいので、余計な機能を止めた。 WindowsXPの設定方法を公開しているサイトを参考にして、 余計な機能をOFF にしたり、「マイドキュメント」のフォルダを、ディレクトリ直下に移動したり。 代表的な設定ツール窓の手、 もう少し細かい設定を行ってくれるtuneapp をダウンロードして、それぞれなんとなく軽くなるように設定した。 クリックひとつでできる設定ばかりで、レジストリを編集するとか、 怖いことは一切やっていないけれど、ずい

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    amashio 2013/12/30
  • 夢は描いた瞬間から陳腐化する - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります ニュース番組で、岐阜大学の救急医療情報共有支援システム「GEMSIS」が特集されていた。 「サンダーバード」に発想を得たプロジェクトで、数年がかりで取り組んでいて、 これが完成した暁には、救急医療の問題解決に役立つらしい。 開発するのに数千万円かかってて、完成にこぎつけるまであと5000万円、 数年後の普及を目指してて、各病院に設備を入れるのに、30億円かかるんだという。 報道されてたのと同じことやればいいなら、今すぐにでも無料でできるなと思った。 報道されてた機能 GEMSIS のネット情報は少なくて、全容はどうなっているのか分からない。 単なる情報共有のシステムなのか、それとも救急医のモチベーションを維持するための、 政治タームのお話まで

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    amashio 2013/12/30
  • インターフェースの身体性 - レジデント初期研修用資料

    「有限性、適応性、自律性を持った構造化インターフェース」としての、身体の面白さについて。 身体が生む小さく浅い世界 人工知能は計算的に「深い」アルゴリズムを使うから、外乱に対して弱い。 入力のわずかな変動が、出力においては大きな、予測不可能な変動を生んでしまう。 計算的に深いプログラムは、ノイズの少ない、シミュレーション世界では上手に 機能するけれど、実世界では役に立たない。 大きすぎる問題は、解くことができない。実世界という、あいまいで変動幅の大きな問題は、 AI にとっては要求される計算量が莫大になりすぎてしまう。 対象とする問題を強引に「小さく」できるなら、計算量をそれだけ減らすことができる。 「脳単体」としては存在し得ない人間の脳は、「身体」というインターフェースを介して世界と接する。 身体は、知性と世界との界面に介在して、脳からみた見かけ上の世界を、 小さくすることに成功している

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    amashio 2013/12/30
  • 錯覚が知性を感覚させる - レジデント初期研修用資料

    フランスのテレビ番組「シューティングゲーム歴史」の中で、 プレイヤーの人が「弾幕を介して、開発者の人とコミュニケーションしている」なんて喋ってた。 チェス専用のコンピューター「ディープブルー」と対戦したロシアのチェスチャンピオンは、 「相手は機械なのに、まるで異質な知性と対決しているようだった」と感想を漏らした。 知性について。 知的であること知性を感覚すること 自閉症の人は、しばしば十分な知性を持っているにもかかわらず、 「空気を読む」とか「相手の感情を読む」とか、相手に心理を観測するのが苦手なんだという。 自閉症の動物行動学者がいて、人間の感情は分からないのに、 動物がどうしてそんな行動をするのかはよく分かるんだという。 実際に動物を安心させる道具を設計したりして、自分の観察を実証している。 その人はたしかに知的であって、たぶん嘘もついていないんだけれど、 やっぱり人間の感情のことは

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    amashio 2013/12/30
  • 「恋愛シューティング」実装案 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります カトゆー家断絶の中の人が、twitter で「恋愛SLG 」 という言葉を使っていた。「恋愛STG」はないのかな、と思って検索したら、案外なかった。考えた。 状況設定 AI とプレイヤーとが共同して、コミュニケーションしながら敵のボスを破壊する。 パイロットをプレイヤーに設定するのは難しい。 それは伝統的なシューティングの文法だけれど、それをやってしまうと、 「機械に任せるぐらいなら自分で避ける」というプレイヤーの声を無視できなくて、 AIを導入する必然性がなくなってしまう。 「AIとの共同戦闘」という状況にある程度の必然性が出てくるのは、 人工衛星のオペレーション。 地球に近いとき、人工衛星は、 ある程度のマニュアル操作が可能だけれど、火星

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    amashio 2013/12/30
  • アートとクラフト - レジデント初期研修用資料

    「クラフト」というのはまず素材があって、そこから何が作れるのかを考える立場。 「アート」というのは、まず作りたいものがあって、その表現手段として、 素材が選択されるやりかた。 技術はたぶん、「アート」から始まって「クラフト」へと移行する。 成熟して、確立した技術が、今度は「素材」となって使われるようになる、 そんな流れがあるんだと思う。 ボブの絵画教室 アメリカの画家ボブ・ロスは、「アーティスト」ではないんだそうだ。 人気番組だった「ボブの絵画教室」の中で、ボブは「簡単でしょう?」を くり返しながら、すごいスピードで風景画を仕上げていく。 30分ほどの番組なのに、出来上がった風景画はたしかにすばらしくて、 何よりも筆を動かすボブの手に迷いがなくて、あの番組それ自体が芸術なんだと思ってた。 ボブ・ロスの絵画はきれいで、絵を描く行為それ自体にも娯楽としてのおもしろさが 備わっているのに、伝統的

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    amashio 2013/12/30
  • 技術文化と官僚主義 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 技術にはたぶん様々な立ち位置を持った文化があって、 属する文化圏が異なる技術者同士は、もしかしたら会話が成立しない。 文化の壁を乗り越えるには、「市場主義」と「官僚主義」、両極端のやりかたがある。 それぞれ欠点が指摘されるけれど、恐らくはたぶん、人情とか、チームワークみたいな 欺瞞ワードで文化を越えるやりかたよりも上手くいく。 「NASA を築いた人と技術」というの感想文。 マーシャル宇宙飛行センター 大戦後、ドイツからアメリカに渡ったフォン・ブラウンをはじめとする ドイツ技術者は、マーシャル宇宙センターでロケットの開発を続けた。 ロケット黎明期。まだ科学的に検証されていない、科学者が解答不可能な状況は たくさんあって、ドイツ技術者は、

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    amashio 2013/12/30
  • ドーム型の没入ディスプレイがほしい - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります ドームの内面全てに映像が出力されるような、没入型ディスプレイが 家庭に普及したら、きっと面白い。 今のテレビとか、パソコンは平面ディスプレイ。もう何十年も前から 当たり前のようにそこにあって、薄くなったり大きくなったり。改良は続けられてきたけれど、 平面は「窓」にしかなれなくて、「向こう側」に行くためのドアにはまだ遠い。 未来世界のこと もちろん未来になっても、川を渡るときには橋を使うし、 車はやっぱりタイヤで走ってるんだろうけれど、 SF はそれではつまらない。 SF 世界のディスプレイは、空中投影される画面だったり、あるいは立体映像だったり。 それは正しい未来予知だけど、相手を「向こう側」に知覚するデバイスは当たり前すぎて、 平面ディスプ

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    amashio 2013/12/30
  • 改良の誤謬 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります デザインは記号との勝負 デザインとは、橋の形を考えることではなく、向こう岸への渡り方を考えることなのだという。 デザイナーが「橋」という使い古された記号にとらわれる限り、新しい発想は生まれないし、 橋が記号として再発明されるなら、デザイナーの出番はない。 デザインとは記号との戦い。デザイナーは記号に挑んで、 そもそもの「記号」が要請された需要を探って、 記号をデザインした人が、かつて成し遂げた成果を越えようとする。 橋という記号に負けたデザイナーは、うなだれて記号を受け入れて、その場を去る。 記号に打ち勝ったデザイナーは、新しいアイデアで顧客を驚かせて、 それでようやく、記号は再びデザインされる。 橋という記号を受け入れたデザイナーが、それで

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    amashio 2013/12/30
  • 空気は構造が決定する - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 「その場所の雰囲気」というものは、そこにいる人よりも、むしろ その場所を作っている環境とか、構造みたいなものが決定する要素が案外大きい。 「こんな雰囲気にしたい」なんて思ったら、ルールを作るよりも、 むしろそうならざるを得ない構造をどう実装するのか、それを考えたほうが正解に近い気がする。 炎上するコメント欄 コメント欄で異なった意見の応酬が行われると、たいてい最後に行きつくのは、 大声コンテスト。 お互い口先だけ丁寧語使い回して、その場の空気は箸が立ちそうなぐらいに こってりドロドロ。対立が長引くほどに、まわりが引くほどに、 喧嘩している当人の声は大きくなって、収拾つかなくなる。 たくさんの人が書き込むページは、管理大変だろうなと思う。 こん

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    amashio 2013/12/30
  • 道路のお金 - レジデント初期研修用資料: 

    今いる施設の敷地内には10mぐらいの道路があって、公道扱い。 ここを舗装するのに、だいたい 7000万円かかったらしい。 道路を100m あきらめれば、診療所1つ、医師ごと買える。 道路を1km あきらめれば、300床ぐらいの病院が建つ。 国道を1km あきらめれば、たぶん基幹病院も建てられる。 土建屋さんてすごいなって思った。

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    amashio 2013/12/30
  • 設計者の「運の良さ」 - レジデント初期研修用資料(旧)

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    amashio 2013/12/30
  • 技術の先に見えてくるもの - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 技術は極限まで磨かれ無意識的に行われるまでにならなければ、 目的を達することは不完全になる。 自動車の運転はすべての操作が無意識的に行われてこそ、 景色を楽むことができる。技術者は技術の先にある成果を目標とすべき コメント欄から抜粋 コメント欄を読ませていただいて、 こういう考えかたもあるんだな、と正直驚いた。「技術の先に見えてくる世界」というものは、 自分にとってはしばしば、「技術を商売に結びつけること」だったから。 注) 以降「エンジニア」「技術者」という言葉を、設計や製作を行う人たち以外に、 広告を考えたり、プレゼンテーションを行う人達にまで、しばしば拡張して用いています。 うちでは昔からそうだったので。 武芸的な、技術的な

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    amashio 2013/12/30
  • 不自由な安心社会 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 輸血のこと 手術中の出血がひどくて、妊婦さんが亡くなった。 メディアの人達は、術前に用意した輸血の量が少なかったなんて叩いてた。 同じ頃、輸血製剤の合併症も叩かれてて、 「安心できる輸血製剤」の登場が求められてた。 法律が変わって、全ての輸血製剤には放射線の照射が義務付けられた。 それでも「安心」は足りなくて、日赤から出荷される段階で、 全ての輸血製剤に放射線がかけられるようになった。 放射線照射を受けた血液は、保存できない。返品可能だった輸血製剤は 「買いきり」ルールになって、今度は病院が、「万が一」に備えた輸血を用意できなくなった。 自分達が研修医だった頃は、輸血というのは「たくさん取っておいて、 あとから返品するもの」という感覚。 10

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    amashio 2013/12/30
  • 公立病院民営化について - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 国内にいる全ての医師を国家で召し上げて、政府の人達が、地域の需要に応じて 医師の配置を決めればいいんだと、今でも思ってる。毛沢東国家主席がかつて行った、 「文化大革命」の時みたいに。 世の中から「開業医」という仕事はなくなって、地域の基幹病院には、 医師があふれかえる。ベッドも医療費も限られてるから、 外来の待ち時間は倍ぐらいになって、医師の給与は半分以下になる。 その代わり、人手が増えるから、当直明けには家に帰れるし、 勤務する日はものすごく忙しいけれど、週の半分ぐらいは、 もしかしたら仕事しなくても大丈夫。 国家管理と自由化と 全体主義とか大好物なんだけれど、インフラ事業を国家で管理すると、たいてい大失敗する。 たとえば農業ならば、ソビエ

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    amashio 2013/12/30
  • 標準偏差の復権が来るのかも - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 道路特定財源のお話が、ニュースで流れてた。 夜にやってたのは、都内で開かれた道路討論会。民主党の国会議員と、 宮崎県の東国原「そのまんま東」知事と、あと何人か。寝る前に見たニュースで流れてたのは、 和歌山県を視察しにきた民主党議員と、それを迎え撃つ地元県会議員の人達。 「ながら」見しながら考えてたこと。 タレント議員のこと 討論会。東国原知事は、自分の役どころをよく分かってるように振舞ってた。 知事は、地元では眼鏡をかけずに、ジャンパー羽織って宮崎県の宣伝に 駆けまわってるイメージ。まじめだけれど下世話な立ち位置。 昨日の討論会では、きちんとスーツを着こなして、フレームの薄い眼鏡をかけて、 自分の立場を訴えるときも、声の抑揚を大分抑えていた。

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    amashio 2013/12/30
  • 医療のない都市のこと - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 隣接する市の救急体制が完全に吹き飛んだ。 10 万人以上住んでるところなのに、夜になるともう、どの施設も救急取らない。 そこにはたしかに救急輪番制もあって、「救急指定」うたってる病院は いくつかあるけれど、実質機能していない。専門家がいないだとか、 能力的に受けられないだとか。 夜中に厄介な人が病気になると、その市ではみんな白旗揚げて、 救急車は1時間ぐらいかけて、うちであったりもっと大きな病院であったり、 どこか別の街まで救急車を走らせる。 こんな状態は、せめて議会で問題にはなってるんだろうけれど、 書類上はたぶん、その市の救急体制は「足りてる」ことにされていて、 行政は、今以上の行動をおこせないはず。お金かかるから。 「だろう」が全てを悪

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    amashio 2013/12/30
  • 社会の情報構造 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります ジャンプしたり、走ったり。「筋肉が収縮する」という、ごく単純な動作の集積は、 骨格という構造により複雑な動作へと変換される。脳は身体を制御するけれど、 身体には、その構造それ自体に織り込まれている情報や「知性」を持っていて、 動作というものは、脳と身体との相互作用を通じて「創発」される。 身体の情報構造@デブサミDAY2より改変引用。 社会が持つ情報行動と、社会という系のなかで現場が陥ったかもしれない誤謬について。 社会記述の精度と不気味の谷 歩いていた人が、石につまづいて転ぶ。それまでは一定のリズムで収縮していた筋肉や関節は、 人が転んだ瞬間、今まで続けてきた動作を継続できなくなって、ダメージを受ける。 筋肉は目を持たない。お互いに、近く

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    amashio 2013/12/30
  • 医療サービス「紳士の薬箱」 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります これから先、専門技能とは無縁の一般内科が報われることなんて絶対ないから、 将来のことはいろいろ考えてる。 能力ないし、今さら転職とか、他の業界に移ったところでやっていけるわけがない。 開業医というありかたは、基幹病院が提供しているインフラにただ乗りしているところに どうしても欺瞞を見てしまって、やっぱりあれはやりたくない。 将来疲れたとき、健康保険制度に迷惑かけることなく自分がべてける、そんな構想。 個人輸入薬のこと 一時期、5 日分で4 万円なんて報じられてたタミフルも、ブームが落ち着いたのか値段が下がって、 今アメリカから輸入して、15000円ぐらい。日で処方するのに比べれば割高だけれど、 それなりに現実的な値段にはなってきた。 「幸

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    amashio 2013/12/30
  • マニュアル診療の楽しさ - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります ガチガチの行動規範に縛られた医療現場は、それでもやっぱり楽しい、はず。 「楽しさ」というパラメーターは、要するに「特別さ」の度合い。 振る舞いが自由であることそれ自体は、「特別である」ことを保証しないし、 振る舞いが「量産型」に規定されても、 特別な人は、やっぱり特別な存在であり続けるから。 量産品を使うヒーローのこと 主人公が特別に作られた道具を武器に活躍する物語には、どうも共感できない。 読者の共感と、物語の盛り上がりを両立することは難しくて、 主人公が最初から超人だったら、読者の共感なんて得られないし、 主人公が最初から最後までダメ人間なら、物語が盛り上がらない。 超人的な努力をする主人公は暑苦しくて共感できない。かといって、 ちょっと

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    amashio 2013/12/30
  • 量産型はダテじゃない - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 昔から救急外来という場所が好き。怖いし疲れるし、 最近は、いろんな人から文句言われたり訴えられたり、 ろくなことが起きない場所なんだけれど、それでもやっぱり救急が好き。 リスク回避の手段を前から考えてる。リスク管理の問題さえ解決できれば、 この場所にはまだまだ、昔みたいな賑わいが戻ってくるだけの楽しさがあるはずだから。 最初の頃は、技術の向上それ自体がゴールだと思っていた。 自分なんかよりもはるかに高い技術を持った人達が、次々と刺されて現場を去っていくのを見て、 大事なのは技術じゃなくて、むしろ交渉能力なんだと思った。 交渉のやりかたとか、人質交渉人のマニュアルとか、ちょっと外れて新興宗教の洗脳手法とか、 とにかく「交渉」に関係することをあれ

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    amashio 2013/12/30
  • 真実の論理脆弱性 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 痛みの定量問題 「痛み」「苦しみ」みたいな、定量不可能症状は、評価をするのが難しい。 医療主義は、患者さんの訴えというものは全てが真実であって、 痛みや苦しみの原因は、もちろん患者さんの体内から発生すると考える。 ここを外すと、この商売は根から成り立たなくなってしまう。 医療主義の通用しないケースはたくさんある。 痛みを訴えることで麻薬を手に入れようとする人たちであったり、 あるいは人の自覚症状それ自体が、家族に心配してもらうとか、 何かの利益につながっているケースであったり。 家族がおろおろすると、あるいは主治医が近づいてくると、痛みが落ち着く人がいる。 家族が無視したり、医師が立ち去ろうとすると、痛みが強くなる。 こんなケースでも、

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    amashio 2013/12/30
  • 自走式大腸内視鏡 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 「傘袋」みたいな細長いビニール袋を、入り口側から裏返す。ちょうど「ちくわ」みたいな物体ができる 袋の入り口側から空気を入れると、「ちくわ」は内側から伸びていって、元の形、棒状の風船に戻ろうとする。このとき、傘袋の「底」にあたる部分は、空気圧で前に進む 「ちくわ」が膨らんでいく先進部は、内側から外側へと、放射状にビニールが膨らむ。屈曲の強いところを進むとき、この動きがあるから、袋は屈曲に追従して、大腸を逆走しながら膨らんでいく こんなことができるなら、その動きを利用して大腸カメラが簡単にできるようになる 「傘袋」を大腸カメラにかぶせて、袋の底にあたる部分を、カメラの先端に接着する 袋を途中まで裏返して、出来上がった「ちくわ」状の袋を直腸内に挿入

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    amashio 2013/12/30
  • 「地域医療請負会社」の可能性 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 外科医が減ってるらしい。 この2年間ぐらい、全国どこの医局にしても、外科内科にはまともに人が入らない。 大学だけの問題ではなくて、県内で一番多くの人を集めた市中病院もまた、 残ったレジデントは、みんな忙しい科を避けたらしい。 「入局者ゼロ」が2 年も続いた医局には、もうだれも怖がって入らない。 そこに入局したら、2年分の雑用が押し寄せるのは見えてるから。 近くにある公立の基幹病院は、3月になったら内科がいなくなる。 医局の嫌がらせとかじゃなくて、もう出せる人がいないから。 うちの施設近隣、人口40万人圏内で、夜間にまともに機能している分娩施設はあと1つ。 内科外科系の施設は3つあるけれど、それが今度から2つになる。 一昨日の当直で、8 件断ら

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    amashio 2013/12/30
  • 正義論理の市場開放 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 「どんな正義のもとに、その行為を行ったのですか?」という質問に 答えられない人には、経済活動を行う資格がない。 単純に商売を行うにしても、立場を主張して利権を獲得するにしても、 誰かの「損」を通じて利益を得る人達は、「その行動こそが正義である」という、 そんな大義を持っている。 実利方面、経済方面のお話だけでは、どんな商売も成り立たない。 誰もが権利を主張する。大義を持っていない人たちは、「我々にだって生きる権利がある」みたいな、 ごく初歩的な権利主張に対してすら、それに抗する術が無い。誰かから対価をもらう際には、 「売り物」を提供するだけでは片手落ちで、対価を正当化するための「正義論理」が欠かせない。 正義論理なしに経済活動を行う人は、誰か

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    amashio 2013/12/30
  • 医療も「人間」から卒業していいと思う - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 患者さんは症状を抱えて、それを解決したくて病院に来る。 症状と治癒、両者の間には、当たり前のように「診断」が鎮座するけど、 「診断は不明で何となく治る」ことなんてよくあるし、 診断がついたところで、治らない人はやっぱり治らない。 診断という床屋の満足 床屋の満足 というのは、「来顧客の満足を最優先すべき商売もしくはもの作りをしている人が、 自分の満足を優先して行動してしまうこと」を指す言葉。 床屋さんは髪を切る。切り始めて30分もすると、大雑把な形は出来上がるのだけど、 昔気質の床屋さんは、「そろそろ終わりかな?」なんて思ってからが長い。 少しラフだけど、何となくいい感じだった髪型は、ミリ単位の修正を繰り返されて、 1時間もする頃には、いか

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    amashio 2013/12/30
  • 経済活動を正当化する物語 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 技術には、漠然と「実力レイヤ」と「政治レイヤ」というものがあって、 技術が成熟してくるに従って、政治レイヤでの発言力が、業界の流れを左右する。 技術的にいくら「正しい」ことをやっていようと、政治的に自らの正当性を主張できない人達は、 その技術を安価に買い叩かれたり、別の誰かに、その仕事を奪われてしまう可能性がある。 開業する若手のこと 来年は、自分よりも圧倒的に若い人達が、何人か開業する。 まじめに仕事をしてきた人たちだけれど、今の時代、「この人にしかできない治療」なんてものは 事実上存在しないし、その技術だけでべていける状態、「手に職がついた」状態にまで 技量を高めていくためには、大きな病院にいても12年ぐらいかかる。彼らはもっと若い。

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    amashio 2013/12/30
  • 幸福の複雑性 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 社会の「成功」を、富の大きさで判断することは正しいんだろうか? たとえば「文字数」は、を表現するパラメーターのひとつではあるけれど、 文字数それ自体は、「の面白さ」を保証できない。白紙はつまらないけれど、 文字が膨大だからといって、そのが面白いとは限らない。 面白さというものは、「白紙」と「膨大な文字数」との間にあって、 文字数という測定可能な数字では表現できない、「複雑」な何か。 「幸福感」みたいな社会の空気もまた、そんな「複雑さ」に属するパラメーターなんだと思う。 漁礁を作る人 漁獲量を増やしたい漁師は、そのへんの岩とかスクラップを 海に投げ込んで、「漁礁」を作る。漁礁は藻が生える場所を作ったり、 魚が逃げ込める空間を提供したりして

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    amashio 2013/12/30
  • 機会の均等とオークション制度 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 「青信号」オークション 「青信号」をオークションで購入できると、きっと面白い。 ある程度の対価を支払ってでも急ぎたい人は、自分の車にETC みたいな機械を積んで、 信号機に近づいた時点で「入札」を行って、「青信号」の競売に参加する。 信号機の切り替えが60秒ごとだとしたら、その時間の半分、前後15秒間づつがオークションの時間。 信号機が「赤」ならば、一刻も早く「青」にする権利に入札するし、信号機が「青」ならば、 自分が渡りきるまでの時間まで「青」でありつづけるよう、信号機周辺50m ぐらいの車は、 すべてオークションに参加する理由が発生する。 オークションは、ビックレー方式で行う。このやりかたは、もっとも高い金額を入札した人に 権利が発生する

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    amashio 2013/12/30
  • ベッドから始まる経済 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 寒くなったからなのか、また病棟がまわらない。病棟中探しても、 空きベッドあと3つで当直入りとか、ひどい状況。 このあたりの病院が閉まる18時前後になると、「入院が必要と思われます」なんて 紹介状を持った患者さんが増える。たいてい元気で、症状は5 日も前からで、 「入院が必要」なんて、人は全く思っていないような患者さん。 「入院が必要」というのは戦略ワード。最初に見た医師が「必要」と判断したら、 それを否定するためには、後の医師は患者さんに責任を負わないといけない。 「入院が必要と思われます」というのは要するに、「もううちの病院閉めるから、 面倒くさいから後はそっちの責任でお願い」なんてぶん投げの依頼。 夜の診察は面倒だし、そこで「明日いらっ

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    amashio 2013/12/30
  • 自閉する道具としてのインターネット - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 今はまだ法律の問題があるから不可能だけれど、「西洋薬箱」のサービスをやってみたい。 契約結んだ人の自宅に、日曜日の救急外来に置いてある程度の薬、 体温計と、電話回線で飛ばせる聴診器、人体に番号を振った地図、 あとは体のあちこちを押して、圧力を測定する「触診器」を詰め合わせにして置いてもらう。 1年間、24時間、携帯電話で、医師に電話をかけ放題。 調子よかったら、薬箱を引き継いで、もう1年契約を伸ばすルール。 遠隔診療はいいかげんになってしまうけれど、「さっきからお腹が痛いんですが?」という 問い合わせが来たら、「7番の場所を、250gぐらいで押してみて下さい。痛いですか?」なんて やりとりをした上で、薬箱から特定の薬を使ってもらう。きっと便利

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    amashio 2013/12/30
  • NHKのインフルエンザ番組 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 発症率と弱毒化 ウィルス感染症みたいな疫病のお話をするときには、体内に入ったウィルス粒子が 実際に病気を引き起こす「発症率」と、ウィルスや細菌が進化する方向としての 「弱毒化」の問題とがあって、危険度の見積もりかたで、温度がずいぶん異なる。 大腸菌O-157 であったり、ノロウィルスの感染症なんかは、来が比較的珍しい病気。 だからこそたぶん、発病率をある程度論じることができて、 数十個オーダーの粒子が体内に入った時点で、 かなり高い確率で発症するなんて言いかたができる。 実際問題、集団感染が容易におきるし、入院しても、患者さんからよくうつる。 インフルエンザみたいな大規模感染症になると、そのあたりがよく分からない。 シーズンになると、たくさ

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    amashio 2013/12/30
  • 病院がソーシャルネットに自閉するとき - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 「100人村」の料理店 人口100 人の村にある、ただ 1軒の料理店は、 裏切りがばれた瞬間に村を追放されるから、村人を裏切れない。 村人は安心だけれど、その代わり、その料理店が当に「おいしい」ものを出しているのか、 比較できないから分からない。 1000人村にある 10件の料理店なら、村人はきっと、「最高」がどの店なのかを投票で決められる。 「おいしい」料理べた幸福度は高まるだろうけれど、下位グループの料理店は、経営が難しくなる。 村人が増えれば、それだけ裏切りがばれるリスクは減少するから、「業界」全体に対する村人の信用は、 100人村より低下する。 料理店全体が生産できる「幸福度」というのは、各料理店が生み出す幸福の総和と、 業界に

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    amashio 2013/12/30
  • マニュアルを読むだけの簡単な仕事です - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 統計学が世界を変える 「その数学が戦略を決める」というを読んだ。統計学の一般書。 ワインの質とか裁判の結末だとか、「専門家」の予測よりも、 統計ベースの簡単な予測式で作った予測のほうがよっぽど正確だとか、 「専門家の欺瞞」を統計学が暴くお話。 教育、医療、映画の脚みたいな芸術要素が高い業界では、 専門家が「芸術性」を発揮することそれ自体が成果を悪くして、 統計が決めた「シナリオ」どおりに物事を進めたほうが、よっぽどいい成果に結びつくなんて、 統計による検証を拒んだ「芸術」の無意味さを、やっぱり統計学が検証するお話。 医療とか教育の分野で勧められていたのが、定メニュー的なやりかた。 教師の人達は、最初から最後まで、厳密に決められた「シナリ

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    amashio 2013/12/30
  • 「変わらない前提」を維持するワクチンのこと - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 「事実が事実として通用する」世の中は、恐らくは不自然な状態。 もちろんそんなありかたが心地いいと感じる人が多数派だからこそ、 たいていの場合、事実は事実として通用するけれど、 「事実がそのまま通用すること」と、「その事実が運用不可能であること」とは、 やはり同じではありえない。 不変の価値が共有されても、世の中にはやはり、それを変えたい人がいる。 問題を相対化して撹乱するやりかたは、相対化を狙う側からは、やっぱり有効な手段に思えて、 そんなやりかたを否定する人たちが盛り上がっていたけれど、 やっぱり「個別に潰す」やりかた以外の解決策が見えてこない。 議論相対化の回避手段と、「変わらない前提」を信じる人達に課せられた義務について。 状況を維持す

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    amashio 2013/12/30
  • 喧嘩作法としての相対化 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 定説に抗いたい、あるいは定説が「真実」として動かない状態からは利権を引っ張れない人たちが、 定説を「運用」可能なものへと変換することで、状況を大きく動かす。 まだまだ不完全だけれど、一般化して応用できそうな喧嘩のやりかた。 飴では変わらない 救急に補助金出せだとか、現場をもっと保護すべきとか、 「何でもいいから飴よこせ」なんて自分が叫んでたのは、たぶん1 年ぐらい前まで。 何がきっかけなのか分からないけれど、 なんとなく「それではたぶんダメなんだ」と思うようになったのは、まだ最近のこと。 原体験は今から10年ぐらい前。 救急の現場には人があふれてて、産婦人科にローテートする研修医は、 「お前ら楽できてうらやましいな」なんて言われてた。自分達は

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    amashio 2013/12/30
  • 正しさから自由になるべきだと思う - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 医療過誤訴訟なんかでの決まり文句「真実が知りたい」にまつわるお話。 昨日盛り上がっていた南京大虐殺周辺のお話で、誰かが 「決議や謝罪要求の有無に関係なく、歴史的事実は存在する」とコメントしていた。 けっこう驚いた。個人的にはもはや、「事実である」ということと、 その解釈が広く受け入れられているということとは、全く別ものだと考えてたから。 「事実である」ことに何かの力を感じている人と、 事実に対する解釈は、市場により決定されると考える人とがいて、 両者はたぶん、議論が成立しない。お互い争っても、議論のレイヤが全く違うから、 話が噛み合わない。 たとえ話 ホエールウォッチングをするために、何人もの人達が船に乗って、海面を見ながらクジラを待つ。 観

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    amashio 2013/12/30
  • 初夢:全共闘オンライン - レジデント初期研修用資料

    追記:「不謹慎」との声をいただきましたが、お正月期間すぎたので、再アップしました。 最後のほうにネタバレみたいな「まとめ」を追加しています。 対立軸が多様化して、様々なスローガンとか道徳なんかが無効化していく中、 「世代間の対立」は、これからもまだ有効な対立軸として、むしろその力を強めていく。 日はお上品な国だから、対立する世代同士が実際に衝突することは無いんだろうけれど、 バーチャル世界にそんな「舞台」ができたなら、盛り上がると思う。 ネットワーク RPG の設定をもっとリアルにして、60年代から70年代の東京を 舞台にすると、きっと面白い。 大学紛争時代の再現。プレイヤーは、大学生であったり機動隊であったり、 あの時代の様々なキャラクターに扮して、当時と同じ世界を歩く。 国会突入とか、安田講堂攻防戦やら神田カルチェラタンやら、 当時のイベントを再現して、「あの頃」に夢見てた年配の人達

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    amashio 2013/12/30
  • 疲労する自意識がたどり着くところ - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります コミュニケーションが可視化する強度の話。 コンテンツ購入に付属する「自閉するコミュニケーション」の販売。 疲労した人たちに「多様な平等視点」を提供するサービスについて。来年はやりそうなものの続き。 コミュニケーションは強度をあらわにする 「プロフェッショナル仕事の流儀」をよく見てる。 司会者である茂木健一郎が、相当残念。 昔は、茂木のことを神だと思ってた。 もろくに読んでなかったけれど、言葉一つで新しい世界を切り開いた凄い人。 もじゃもじゃ髪のアイコンと、すばらしい経歴と。 「きっとこの人の言葉はありがたいんだ」。信仰してた。 テレビ番組での露出が増えるほどに、神様の「普通の人」っぷりが際立って、 最近はなんだか無残な気分。テレビメディアで

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    amashio 2013/12/30
  • たぶん来年流行するもの - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 流行るのはたぶん、かわいさ原理主義。承認証券による自意識の相場経済。 コミュニケーションの販売。 センスに対する累進課税ルールが敷かれた「平等な」場所。とりあえず前半2 つ。 フラット化しすぎた世界と、価値軸の多様化がもたらすだろう「何か」のお話。 平等の疲弊 それは政府予算であったり、健康保険であったり。 「みんな」から集めた予算を、立ち場に応じて「平等に」分配するのが、 昔ながらのルール。今いろんなところで制度疲労して、不満続出。 正義を担保していたのは、「みんな平等」という考えかた。 世の中に「平均値」なんて値を仮想して、予算配分を受ける権利は、 そこからの隔たりに応じて上下する。 平均は対立軸を生む。 富んだ人と、そうでない人。高齢世

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  • http://medt00lz.s59.xrea.com/blog/archives/2007/12/post_579.html

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  • 文章の空力特性 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 強度の高い文章発信に必要なダウンフォースの話。 空を飛ぶ小説のお話。 文章発信の力学とデザイン、あとは「かっこよさ」の感覚について。 「離陸」との戦い 「強度」を持たない文章は届かない。ところが配慮なしに強度ばっかり増した文章には、 必ずといっていいほど「上から目線」の匂いがついて、読者の共感を失ってしまう。 「強度」と「共感」とは、しばしばトレードオフの関係にある。 「上から目線」は、言葉に強度を持たせたときの宿命みたいなもので、 みんなたぶん、言葉の強度を高めながら、何とかして言葉が「離陸」しないよう、 文章構成とか言い回しとか、必死になって考える。 「離陸」との戦い。自動車競技で古くからある考えかた。 速度を競う自動車競技は、それが

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  • レジデント初期研修用資料: 弱さを運用する文化

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 今に始まったことじゃないけれど、弱い人が強く振舞うことが増えた。 この流れを生んだ原因が、未だによく分からない。どうすればいいのかだけは分かってる。 もともと「強い」側に立ってた人達が、当に強くなればいいだけの話。 でもそれやると血の海だから、できればそんなことしたくない。 穏やかに時計の針を戻すやりかた考えるんだけど、分からない。 妥協の結果として行き着いた正しさが、いつのまにか目標として目指すべき何かとして 一人歩きをはじめて、世の中がだんだん「正しさ」に支配される、そんなお話。 大学のこと 父親もそうだったけれど、大学の教官というものは、 みんな個室を持っていて、学生を個室に呼び出しては説教したり、 夜通し酒飲みながらおしゃべりしたり

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  • レジデント初期研修用資料: 拳を用いた異文化コミュニケーションについて

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 医:「○○のガイドラインはおかしくありませんか?」 弁:「おかしさの言語定義を行ってください」 医:「こことここ、矛盾していませんか?」 弁:「それは立法の問題です」 医:「この判決は不合理ではありませんか?」 弁:「それは立法の問題です」 医:「なんだか話してて腹立ってきました」 弁:「ではそういう立法を行ってください」 法律畑の人達と話が噛み合わない。お互いもっと話しあいを 持つべき業界なんだろうけれど、うまくいかない。 背負った立場が違うというよりは、会話を転がすためのルールに 不備があって、最初から「ゲーム」にならないイメージ。でも何が悪いのかよく分からない。 以下、「対戦格闘ゲームを通じてコミュニケーション語った文章

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    amashio 2013/12/30
  • 勤勉という悪徳 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 整形外科の手術リストに、「野球肘」のお子さんが載っている。まだ中学生。 少年野球の元エース。 中学校に進級してすぐに肘を壊して、30度以上延びない。手術はできるけれど、 整形外科的には、もう野球は勧められないらしい。 たぶん子供なりに好きを貫いて、恐らくは賞賛の声を惜しまないコーチに恵まれて、 一生懸命頑張ったんだろう。残念ながら、そのコーチは勤勉ではあっても能力がなくて、 子供の肘は壊れてしまった。 善なる無能は邪悪に通じる 「好きを貫く」ことは難しい。好きであること、賞賛という強化因子があるだけでは まだ片手落ちで、「好き」に応した十分な才能に恵まれて、 さらにもう一つ、「能力」のある導き手につかないと、惨めなことになる。 無能で勤勉な人

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    amashio 2013/12/30