新連載の本コラム「ビジネスを考える目」は、コンサルタントの鈴木 貴博氏(百年コンサルティング 代表取締役)。鈴木氏が、日常生活 や仕事の場面で気づいたちょっとした「ビジネスのヒント」を毎週紹 介してもらう。携帯電話からユニクロまで、「消費者」と「ビジネス」 のちょうど中間に立った視点で、日本のビジネスをじっと見つめて、 考えるコラム。 まだ若いころの話である。その日の朝、僕はガチガチに固まっていた。前日の夜、お気楽な雰囲気で事務所を後にしたときとは、180度違った緊張感に包まれていた。 なぜ僕がそうなっていたのか、順を追って説明しよう。 当時僕は25歳。コンサルティングファームで、日本を代表する大企業の、とあるプロジェクトにかかわっていた。 ある日突然、プロジェクトを担当しているクライアントの役員に呼ばれて、「役所に説明に行くので付いて来てほしい」と頼まれた。そしてその依頼を気軽に引き受け