運輸・交通部門での二酸化炭素(CO2)削減を考える際、避けて通れないのが交通流対策だ。渋滞などで交通流が滞れば、それだけCO2の排出量は増えてしまう。特に都市部における渋滞対策は切実な問題であり、自動車関連メーカーや行政はITS(高度道路交通システム)の導入や、渋滞路を避けるカーナビゲーションシステムの開発に力を入れている。経済産業省が今年3月に策定した「Cool Earth-エネルギー革新技術計画」にも、革新技術の一つとしてITSが選ばれているほどだ。 交通流対策の省エネ効果について、経産省がまとめた資料によると、東京の主要走行速度は18.8km/h。これは、ロンドンの30km/hやパリの26km/hと比べても低い数字だ(東京モーターショーシンポジウム2007「持続可能なモビリティーへの一歩」資料より)。平均速度が1km/h上がると燃費は約1%向上するとされており、そのためには渋滞解消が