記者の眼 最近分かった地デジ移行の“ありがたみ” 総務省は地上デジタル放送の浸透に苦労しているようだ。2009年2月17日に総務省が公表した調査では、地上デジタル放送対応の受信機を保有している世帯は1月中旬時点で49.1%と、まだ半数に満たない。 地上デジタル放送には高品質の映像と音声での視聴やデータ放送を楽しめるといったメリットがある。だが、視聴には新しいアンテナの設置やテレビの購入が必要で、各世帯に大きな負担が生じる。画質や音にこだわらない人にとっては、「高画質でなくてもいいから今のままにしておいてほしい」というのが本音だろう。 こうした点だけを考えれば、一部のメディアが批判しているように「国民不在のデジタル移行」という指摘は、うなずけないことはない。 一方、マンションの居住者の視点に立てば、地デジへの全面移行は大きなメリットがある。マンションの所有者は建物に邪魔されてテレビ放送を鮮明