家族が口からものを食べられなくなったらどうしますか? 本人が元気だった時に、事前に話し合っていればよいのですが、そうした話題をなんとなく避けていたり、脳梗塞(こうそく)などで突然食事ができなくなってしまったりすると、本人の意思がはっきりしないまま、人工栄養法をどうするのか、家族が重大な選択を迫られることになります。 人工栄養法というと、胃瘻(いろう)を思い浮かべる人、そして胃瘻にマイナスのイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。私は普段、高齢者の福祉施設で管理栄養士として働いているのですが、最近は胃瘻を作らないという選択をする家族が増えてきている実感があります。恐らく、胃瘻をイメージした延命治療の是非について、マスメディアが何度かとりあげたことが関係しているのだと思います。