妊娠中の女性の望ましい体重増加量について、厚生労働省は近くこの目安を引き上げる方針であると、報道されました。大きな変更点として、妊娠前の体格がやせている人ほど、妊娠中に望ましい体重増加の目安が増えており、従来の目安に比べ、低体重の人では3キロ、普通の人では1~3キロとなります。 現在の目安が定められて15年となりますが、今回の提言の背景にどのような事情があるのでしょう。母子の健康と栄養の観点から解説します。 従来の体重増加量の目安の問題点 妊娠中の体重増加は、胎児の成長と、胎児を育てるための胎盤などの発達や体を流れる血液量が増えることによる生理的な現象です。この体重増加量が少ないと胎児の正常な発達に必要な栄養が供給できず、十分に育たないまま出産(低出生体重児)される確率が高くなると考えられます。反対に体重が増えすぎると、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群など母体と胎児に悪影響を与える疾病のリスク
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