東京電力は16日、福島第一原発にたまり続ける高濃度の放射能汚染水を浄化処理する施設の試運転中に、一部の装置から汚染水が漏れ出したことを明らかにした。装置は自動停止した。水が漏れた場所を見つけて修理するのに半日はかかりそうだという。17日に予定する浄化施設の本格稼働に影響が出る可能性がある。 水漏れがあったのは、施設のうち、放射性セシウムを吸着させる円筒形の装置。午後7時20分に警報が鳴って装置が自動停止した。午後8時ごろ、作業員が直径90センチ、高さ2.3メートルほどの装置を入れた金属製の箱に30センチほど水がたまっているのを確認したという。原因については調査中で、東電は「大きな遅れはなさそうだが、詳しくは調査しないと分からない」としている。 浄化装置は東電が5月に示した工程表のうち「循環注水冷却」の中心的な役割を担う。浄化施設が動かなければ、2、3号機にたまる高濃度汚染水の処理が滞り