日本の若者についての対話――若者研究の国際展開を目指して 1.はじめに 寺地幹人 共同作成されたこの記事は、日本の若者についてのトピック(例えば、3.11以前と以後)をとりあげるだけでなく、それをきっかけとして比較的なアプローチによる若者研究のためのプラットフォームを構築するための、最初の試みである。また、進行中のPCYR(Project for Comparative Youth Research) と称するプロジェクトの初の成果物でもある。 お気づきのように、この記事は、トイボネン・トゥーッカと古市憲寿が互いの最近の著作について書評したパートと、内容をさらに掘り下げつつもフランクに行われた対談から構成されている。私たちは、しばしば交わらない(しかし潜在的には互いを豊かにする)、海外の研究者による日本の若者の研究と、もっぱら国内で出版される国内の研究者による研究の橋渡しを始めるために、特