今年6月13日、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案が国会で可決され、精神保健福祉法が改正された。改正精神保健福祉法は、来年(2014年)の4月1日から施行される。 ここでは、まず精神保健福祉をめぐる周辺状況について述べる。そのことの方が大事だと思うからである。次いで、今回の改正で変わらなかった(取り入れられなかった)ことについて述べる。今回の法改正で「何がどう変わったのか」については、そのあとで取り上げる。 精神科病院では平均在院日数が短くなり(2010年までの10年間で22.9%短縮)、在院患者数も減少してきている(同7.7%)。精神科診療所の数は増加し(2010年までの7年間で58.9%増)、精神科デイケア等利用者数は同じ時期に75%も増えた。日本の精神科医療は、その軸足を入院治療から地域でのケアへ順調に軸足を移しつつあるかに見える(以上、統計は厚労省630調
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